姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦は同じ形でも大きさがいろいろあるので注意しないとなんです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
一昨日くらいから朝晩の冷え込みが厳しくなっていました。一番寒かったのは昨日やけど今日の朝も結構寒くて、事務所のストーブを片付けてしまったのを少し後悔しました。今はかなり暖かくなってきたし、明日以降はむしろ暑くなるみたいですね。例年の気温を考えるとそれくらいで普通のはずやけど、昨年の冬からの変な気候で感覚が狂ってしまっています。今年の夏も暑いんかなぁ。

 

建物の規模によって瓦の大きさは変わります。

 

当社は基本的に瓦の工事をしていますが、たまに瓦を買いに来られる方もいらっしゃいます。自分の家を自分で直したい方とか他の工事業で仕事中に割ってしまった瓦の交換をしたい方などです。
慣れた人なら瓦の寸法を測って、「○センチ×○センチ」とかってサイズを教えてもらえるんですが、ほとんどの人は色と形さえ合えば瓦はみんな同じと思っている人が結構多いんですよねぇ。
実際には建物の規模によって瓦の大きさってかなり違います。私が知る一番大きい瓦は1枚の大きさが一般的な住宅に使われる瓦の3倍~4倍くらいです。大規模なお寺の屋根に使われている瓦です。お城の瓦も普通の瓦よりも大きいものが多いですね。

 

サイズ違いの瓦を並べてみました。

 

会社の倉庫にあるサイズ違いの瓦を集めて並べてみました。全部桟瓦で形は同じですが、並べてみるとこれだけ大きさが違うんですよね。現在の一般的な住宅に使われているのは一番大きいのとその次の大きいものです。

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どれくらい違うのかというと縦にも横にも1センチ大きいだけなんです。ハッキリ言って屋根の上に葺かれている瓦を地面から見ただけでは一般の人には見分けはつかないと思います。毎日瓦を見ている専門職の我々でも地面から見るだけやと「多分大きい方」くらいの感覚なんですよね。

 

小さい瓦を葺くと重厚に、大きい瓦を葺くと軽快に見えます。

 

一般的に屋根を重厚に見せたい時には小さい瓦を、軽快に見せたい時には大きい瓦を葺きます。瓦の波の数が増えるので同じ形、面積の所に施工すると小さい瓦の方が重厚に見えるんですよね。実際に枚数もかなり大きくなるので重量も増えてしまいます。
でも写真にある中で一番小さい瓦は住宅の屋根に使う事はほとんどありません。使われるのは大抵が住宅のくぐり門など面積で言うと一坪から二坪程度の極々小規模な屋根です。母屋の屋根と門が並んだ時に瓦のサイズが同じやと物凄い違和感になるので小さい屋根である門には小さい瓦を使う事が多いんです。ちなみに小さい瓦の方が瓦そのものの価格も工賃も高くなります。需要が少ない割に掛かる手間は同じなので割高になってしまうんですよね。