姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

材料をたくさん使うのがいい仕事という時代がありました。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
昨日は一八会の定例会でした。今年はコロナの影響もあって、2月に40周年の記念講演会をやった後は例会が中止になったり、ZOOM開催になったりしていて、7月から定例会はやっていても懇親会はやらないままでした。それが半年ぶりに講師例会で懇親会もありでした。換気の事も考えて少し寒いけどテラス席で席間もちょっと距離があるコロナ仕様やったけど、久々の懇親会はやっぱり楽しいですね。

 

30年~40年くらい前の仕事の修理工事が多くなっています。

 

ここ数年、40年くらい前に施工された瓦の修理工事がとても多くなっています。修理をしながら原因を探ると釘が亜鉛釘で錆びて膨張して瓦を割っているなど、現在ではダメなやり方やと分かっている工法で工事されている事が多いんです。
でもこれって当時は最新の工法として紹介されていて、施工当時は良いと思われていたんですよね。より長持ちする工法をと当時の職人さんが頑張った結果、40年ほど経って実はそれが原因で瓦を傷めていたと判明したんです。

 

材料をたくさん使う方が良い仕事という時代がありました。

 

過去には瓦やそれを留めつける釘、さらには棟(屋根のてっぺん)の熨斗瓦を積む土など、材料をたくさん使う事がいい仕事という時代もありました。確かに材料費が余計にかかるので、価格も上がるしお客さんにしてもたくさんお金を掛ける事になるので、その方が良い仕事になるって思われるのも分かる気がします。
でも実際には葺き土が多過ぎるとそれが雨を呼び込む事になって雨漏りの原因になってしまうんですよね。

適量でないと屋根を傷める原因になります。

 

棟を積み直す工事とか瓦を葺き替える工事をさせて頂いた時に既存の瓦を解体すると瓦を外した瞬間に土が零れ落ちてくる事があります。水が回っていない土はしっかり固まっていて、瓦を外した程度では零れてこないんですが、水が回ってしまうと土は砂のようになってしまうんです。

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こうなってしまうとちょっとの風でも瓦はズレてしまうのでどんどん傷みが加速してしまって雨漏りが更にひどくなるという悪循環に陥ってしまいます。何事も適量が一番いいって事ですね。
そして今の最新の工法ももしかしたら40年後にはダメやって言われているかもしれません。