姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

屋根から煙突を出すには技術が必要です。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
11月9日から15日までの1週間は秋の火災予防運動の期間になっています。消防団でも夜に消防車に乗って地域の警戒に回っていて、私も当番の日に行ってきました。今の消防車は3tダンプをベースにしたものなので私は運転し慣れているんですが、他の人は普段はあまり乗らないらしいです。マニュアルの軽トラでさえ乗らないらしいので、何でも乗れる私の方が珍しいのかも。

 

煙突がないからサンタが来ないって言ってた頃がありました。

 

11月に入ると世間のお店はクリスマスムード一色になりますね。子供の頃はクリスマスになると美味しいものが食べられるしプレゼントももらえるので待ち遠しかったんです。幼稚園くらいの頃、家は純和風の入母屋の家やったので煙突もなくてサンタクロースが家に入る事が出来ないんじゃないかって心配してた頃があったんです。
でもその頃から煙突がある家ってそんなに多くなかったんですよねぇ。

 

建売の住宅にはデザインだけの煙突が付いているものもあります。

 

今でもあるのかは分からないんですが、ひと昔前にはあるハウスメーカーの建売の住宅には必ずと言っていいほど煙突が付いている家がありました。でもこの煙突、デザインだけでまったく実用出来ないものでした。
煙突の中は穴が空いていなくて蓋がされていて、家の中も配管はありません。もちろん暖炉とかストーブ、換気扇すら煙突の下にはないんです。
新築の仕事で工事をする時に煙突部分がなかったらもっとスムーズに仕事が出来るのにって職人さんが言ってたのを思い出しました。

 

煙突の撤去の仕事に行ってきました。

 

そんな煙突ですが、古い家では当たり前に設置されていたりします。昔は竈とかお風呂場とか家の中で薪を使って火を使っていたので煙抜きのための煙突が必要やったんですよね。
もっと昔は屋根の上にもう一段屋根がある「越し屋根」というのがあって、そこから煙を抜いていたんです。
最近は家の中で火を使う事が減ってきて火を使うとしてもボイラーなどでも機械の中で火を使って煙もほとんど出なくなっているので、煙突がある家もどんどん撤去されています。
今日の仕事もそんな煙突撤去の仕事でした。煙突は瓦の下の野地を貫通して瓦も貫通して取り付けられているので、撤去した後の穴をふさがないとなんです。

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煙突を撤去してみると、見事と言いたくなるくらい煙突の形ピッタリに瓦も野地板もくりぬいてありました。電動工具がない時代にこれだけ綺麗にくり抜くのは本当に技術が必要です。これが簡単に出来る技術はちゃんと継承していきたいですね。