姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦の寸法は葺き上がった状態で測ってください。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
当社は1月を期首にしています。つまり12月末で決算です。なので毎年年末とか年始には在庫している瓦や副資材などの棚卸をしています。倉庫に保管している間に壊れてしまう事もあるので、在庫管理と言えるほどの管理は出来ていませんが、毎年棚卸だけはきっちりとやっています。今年は年末に仕事が一段落した時に棚卸をしてもらったんですが、現場が忙しい時には私が1人で数えています。1人でやると気が滅入るんですよねぇ。だから今年はかなりホッとしています。

 

たまに瓦を購入される方がいます。

 

昔は製造業やったので瓦の小売りをする事も多かったんですが、現在は工事業なのであまり大々的に瓦の小売りはしていません。それでも月に2~3回は瓦の購入希望のお客さんがいらっしゃいます。
一般のお客さんが自分の家の修理を自分でするために買いに来られる事もあれば大工さんや左官屋さん、足場屋さんなどが仕事をしてる現場で「ちょっと替えておいて」と言われて買いに来られる事もあるみたいです。

 

瓦の寸法が難しいみたいです。

 

瓦の在庫があるか確認の連絡があった時にこちらが「瓦の寸法は?」と聞いてみるとよく「え?瓦に寸法の違いってあるの?」と言われます。
あまり一般的に知られていない事ですが、形が同じ瓦でも微妙に寸法が違うんです。今姫路近辺で主に使われている一般的な日本瓦の場合、6割くらいは「53版」と我々が呼んでいるものになります。1坪あたりに53枚の瓦が葺ける寸法のものです。そして3割くらいは「56版」という同じく56枚葺ける寸法のものです。この2種類の大きさの違いは縦横1センチずつなんです。
たった1センチなんですが、違うサイズのものやと全く納まりません。

 

利き幅と利き足が大事なんです。

 

この1センチのサイズの違いなんですが、実際に葺き上がた状態で見えている部分の寸法の違いです。横方向を「利き幅」、縦方向を「利き足」といいます。瓦のサイズを問い合わせると8割~9割の人が瓦を外して全体の大きさを測ってくださるんですが、必要になってくるのは全長ではないんです。

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この利き幅と利き足がわからずに「なんでもかまへん」ってたまに持って帰られる方がいるんですが、ほぼ100%「合わへんかったわ」と返品に来られます。
そもそも屋根の上に上がるのは危険なので我々に任せて頂きたいとは思うんですが、もし瓦屋さんに瓦を注文する時には是非「利き幅」と「利き足」を測って注文してください。