姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

金属でも同じ場所に雨が落ちると穴が開いてしまいます。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
先日、昨年の大河ドラマ麒麟が来る」をやっと全話観終わりました。一昨年の「西郷どん」に続いて全話視聴は2作目です。スタートからいろいろあった上にコロナのせいで一度中断してしまったので、恐らく最初の構想通りのラストではなかったと思うんですが、「明智光秀」という人物を主役に据えた物語としては個人的には良かったと思います。

 

加工し易い銅板が屋根にはよく使われています。

 

雨漏りの修理工事としてよくあるのは棟の積み直しと谷の入れ替えです。棟は瓦を再利用する事も多いんですが、谷の入れ替えでは使われている銅板に穴が開いてしまっている事がほとんどなのでステンレス製のものに交換してしまいます。
でも素材の使い易さでいえばステンレスよりも銅の方がいいんですよね。厚みが同じやと柔らかくて加工がしやすいので瓦の形に添わせやすいんです。
そして銅板は緑青という錆が出て風合いが瓦にとても良く合うので景観的にもいいんです。

 

昔から銅は建築材料として使われてきました。

 

現在よく使われているガルバリウム鋼板やステンレスなどは最近になって登場した建材ですが、銅板は1000年以上前から建築材料として使われてきました。国内でもそれなりの量を産出していて、加工し易い上に強度も延性もあるので建築材料としては優秀やったんですよね。
鉄のように錆びるのではなく緑青が表面に発生して強度が増すというのもよく使われている理由ですね。

 

同じ場所に水垂れが続くと摩耗していきます。

 

どれだけ強度がある金属素材でも同じ場所に水垂れが落ち続けると摩耗していきます。現在使っているステンレス製のものでも銅よりは長持ちするけど、いつかは摩耗してしまいます。
銅は谷によく使われていますが、軒先に銅板が葺いてあって、その上から瓦を施工する工法もあります。この工法でも瓦から水が流れてくる一点に水垂れが集中するので、20年~30年くらいで穴が開いてしまいます。この構造の場合、水が浸入しても室内には出てこないのでなかなか気づけないんですよね。
銅板を全部やり替えるとなると手間も予算も物凄くかかってしまうので、穴が開いた部分だけ銅板を差し込んで修理する事が多いです。

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