姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

混ぜ葺きはいろいろと手間が増えます。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
暖かくなってホッとしてやっとストーブを片付けたと思ったらめっちゃ寒くなりました。またストーブを引っ張り出してきても灯油を入れないといけないのが面倒でなんとか我慢したけど、この寒さが明日以降も続くんやったらストーブの再登板も考えないといけないですね。桜が散った後にこんなに寒いのは堪えます。

 

瓦は色を混ぜて葺く事も出来ます。

 

洋風の建物に多い仕様ですが、瓦の色を2種類か3種類混ぜて葺く事があります。均一な色よりも変化があるので、長く飽きが来ない建物になるんですが、それなりにコストがかかるので最近は減っています。
工事をする側としても色の変化がパターン化してしまうとダメなので葺く前の段階で瓦の配置を変えたりとかが必要になってくるし、作業をしていると無意識に同じ色の瓦ばかり使ってしまってやり直しをしたりもするので、正直なところ避けたい工法ではあります。

 

和瓦よりは平板瓦に多いです。

 

混ぜ葺きをするのは和瓦よりは圧倒的に平板瓦などの洋風瓦の方が多いです。和瓦の色瓦の場合はかなり色味がはっきりしているので混ぜると斑になっているように見えて悪い方に目立ってしまうからです。それともともと和瓦は凹凸が大きくて光の当たり具合によって1枚の瓦の中で色が変化して見えるので単色でも飽きにくいんです。

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それに比べて洋風瓦は表面の凹凸が小さいのでのっぺりした印象になってしまうので混ぜ葺きなどで色に変化を付けるのに向いているんです。

 

少し離れて葺き上がりを見ないと変化が分かり難いです。

 

混ぜ葺きなどの色の事もそうですが、基本的に瓦工事の仕上がりは近くでじっくり見るものではなく、少し離れた所から全体のバランスを見るようにしないといけないんです。
現場で仕事していると1mmとか2mmの違いを調整して直線を出したり曲線を出したりするんですが、1か所だけに拘っても後で全体のバランスを見ると「アレ?」ってなる事があるんですよね。
私も現場で作業する時は休憩時間には少し離れてそれまで自分が作業していた所を確認するようにしています。
最近の工事現場は足場があって近くで作業を見やすいので、物凄く細かいところが気になってしまうんですが、足場を解体して普段生活する状況で瓦を見た時に一番綺麗に見えるようにしています。