姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

130年葺き替えしていない瓦はエラい事になっていました。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
連休明け初日はめっちゃいい天気でしたね。ちょっと天気良すぎでめちゃくちゃ暑かったです。体が慣れていない状態やったから若干熱中症気味になってしまいました。
昨日の予報では明日は天気崩れるはずやったけど、今は曇りの予報に変わっています。このまま曇りになってくれたらええんやけどなぁ。

 

築130年の納屋のリフォーム工事です。

 

連休明け初日の仕事は築130年は経っているらしい納屋のリフォーム工事の着工です。瓦を葺き替えるんですが、地震や台風で構造そのものにもかなりダメージが入っているので、大工さんが木工事もしないといけないんですよね。
瓦の下地になっているのは竹の簀の子に土をびっしりと敷き詰めたものなんですが、長年のダメージで腐ってしまっている部分もあるので、いきなり音もなく足元がなくなるので慎重に工事しないといけません。

 

のし瓦が凍害でボロボロになっています。

 

屋根に上がってみたら棟に積んであるのし瓦が片側だけボロボロになっていました。瓦が吸収した水分が凍結して起こる凍害です。棟が南北に伸びているので南側ののし瓦はしっかり太陽に当たっていてほとんど凍てていないんですが、北側ののし瓦はは無事な瓦を探すのが難しいくらいヒドイ状態です。

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今まで見た中で一番状態が悪いかもしれません。130年前の瓦という事は「だるま窯」で焼いた瓦ですね。現在のガス窯よりも焼きにムラがあって、よく焼けている瓦は今の瓦よりも強いものもあるけど、焼きが甘い瓦は弱くなっている事が多いです。

 

瓦は長持ちするとは言ってもメンテナンスは必要です。

 

陶器瓦は鉄板やスレート板よりも長持ちするのは確かやけど、130年もメンテナンスしていないと傷みは酷くなります。しかも地震や台風でダメージが入ってしまうとそこから更に傷みが広がってしまうんですよね。
納屋で人が住んでいない場所やから放置されたというのもあるかもしれませんが、もう少し早くリフォームを決めていたら工事もし易いし予算も抑えられたかもしれません。
普段の生活空間でなければ雨漏りなどのダメージには気付きにくいんですが、そういう場所やからこそ気を付けておかないとですね。