姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

竹を編んだ屋根下地は後の掃除が大変です。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
一昨日の夜にニュース速報で田村正和さんの訃報を聞いた時も驚いたけど、昨日のニュース速報で星野源さんと新垣結衣さんの結婚のニュースにはもっと驚きました。個人的に好きなアーティスト(俳優)さん、女優さんやったので暗いニュースが多い中でかなり嬉しくなりました。こういう明るいニュースばかりやったらいいのになぁ。

 

古い建物の屋根下地には竹を編んだものが使われている事があります。

 

先日から瓦降ろし工事を着工している現場は屋根の下地が竹を編んだものになっています。今の新築なら下地はコンパネですが、15年ほど前は杉などの板が下地として使われていました。経年劣化で板が薄くなってしまったり脆くなってしまって踏み抜く事もあるんですが、それでも屋根の上を移動するのに一歩ずつ確認しないといけない竹の下地よりはかなり楽です。

葺き土がズレないようにする作用もありました。

 

この竹を編んだ簀の子状の下地は施工する手間もかなりかかるし、留め付けが甘いと簡単にズレてしまうので怖いんですよね。瓦を降ろした後の場合には留め付けの釘が錆びてしまって垂木の上に載っているだけという状態の部分もあります。
それでも竹を編む事による凸凹で葺き土がしっかり噛みこんで乾燥するとかなり強度が出るんです。それと葺き土が屋根裏の湿気を吸収するので湿気対策としても優秀で、葺き土の層自体がかなり分厚くなるので断熱性も抜群なので手間以外の部分ではかなり使える工法です。まぁ、工事原価の中で人件費が一番高くつく現代ではその手間が一番の問題になるんですが。

 

葺き替えの時には屋根裏の掃除が大変です。

 

性能面ではかなり優秀と言える竹の簀の子の下地ですが、リフォームする時はかなり大変な事になります。何せ竹を編んだだけなので隙間だらけなんです。瓦を降ろした後の土の上を歩くだけでもパラパラと土が落ちて、その葺き土を剥がし始めると際限なく土が屋根裏に落ちていきます。後でまとめて掃除しようとすると丸一日かけて掃除しても終わらないレベルで土が落ちてしまうんですよね。

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住宅の屋根に使ってある場合には先に屋根裏に入らせてもらってシートで養生するんですが、それでも部屋の中まで埃が入ってしまう事もあるくらいです。
そして土を全部降ろせたら竹の下地も全部撤去しないと新しい野地板が貼れないので施工する時も撤去する時もとことん手間がかかる材料なんです。