姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

細くても束になると重いのが銅線です。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
「屋根屋殺すにゃ刃物はいらぬ。雨の三日も降ればいい」なんて話を先輩から聞いたのは瓦業界に入る前、高校生くらいの時に家業の手伝いのアルバイトをしていた頃やったと思います。当時は梅雨の時くらいしかそんなに雨が降り続く事もなかったんですが、最近は毎年のように1週間降り続く雨を経験しています。異常気象が異常じゃなくなってきてるって事かな。

 

屋根工事では瓦以外にもたくさんの資材を使います。

 

瓦の仕事をしていると瓦以外にもいろいろな材料を使います。瓦を主な資材としてそれ以外を「副資材」と呼んでいます。釘や銅板、銅線や土漆喰などですね。木材や金具なんかも副資材になります。
銅線や銅板は昔から使われてきた副資材ですが銅板は最近はステンレス板に取って代わられています。銅板は酸性雨に弱くて雨垂れが集中する所では穴が開いてしまいやすいのが原因ですね。でも銅板の柔らかさは瓦の曲面に沿いやすいので使い勝手はいいんですよね。

 

ステンレスも優秀やけど針金状のものは銅の方がいいです。

 

銅は建築資材としては昔からよく使われています。鉄のように錆びる事がなくて緑青が風合いに変化するし、それなりの強度があるのに柔らかいので加工もしやすいんですよね。瓦の緊結にも昔から銅線が使われてきました。
うちでも一度ステンレス線に変えた時期もありましたが、すぐに銅線も戻りました。ステンレスは強いけど引っ張っても延びないので瓦を緊結する時に強く締めすぎると切れてしまうんですよね。それで銅線に戻しました。

 

色んな太さの銅線を使い分けています。

 

一口に銅線と言ってもいろいろな太さのモノがあって、用途に応じて使い分けています。鬼瓦を固定するための銅線は太いものをより合わせています。お寺などで使うような大きくて重量のある鬼瓦の場合には電線のようにビニールで被覆してあるものを使う事もあります。
棟の一番上に伏せてある瓦を締めつける銅線は1.2mmくらいの少し太目のモノを使うし、のし瓦同士の結束に使うのはそれよりも少し細いものでしっかり締め付けるようにしています。
1本の太さはそれほどでもないんですが、購入する時は30kg単位になるので、会社に届いても運べるのは私くらいしかいないんですよね。私が軽々と持っているのを見てそこまで重いと思っていなかった事務員さんが持ち上げられなくてびっくりしていました。

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