姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

平板瓦は日本にも昔からあったんです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
弟の副反応は翌日には見事になくなっていました。どうやら弟の職場の人もかなり多くの人が副反応が出たらしいです。それもほとんどの人が1回目2回目と副反応が出なかったのに3回目がかなりきつかったとの事でした。これで多少なりとも治まってくれたらいいんですけどねぇ。

 

初代県庁館の塀には平たい瓦が葺かれています。

 

先日行った初代県庁館では屋根瓦は全部和瓦が葺かれていました。それだけでなく塀にも瓦が葺いてあったんです。その瓦は普通の和瓦ではなく平たい瓦でした。

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平たい瓦というと洋風の住宅によく使われている「平板瓦」をイメージしますが、実はこの平たい瓦は昔から日本にあるタイプの平板瓦なんです。主に塀に使われていて、古い民家の塀などで今でも見られるんですが、平成以降はほとんど見なくなりました。

 

「目板瓦」の特許は明治時代にまで遡ります。

 

この平板瓦、「目板瓦」というんですが実は明治時代には特許が出願されているんです。もともと瓦は粘土で作られていて、窯で焼いてつくるためどうしても捻じれが発生してしまって、まっ平な板を作るのはとても難しいものなんです。
それでも目の近い塀に使えるくらいの精度の瓦を作って特許を申請出来るのは昔からの技術の蓄積があればこそですね。
目板瓦を作るのにも技術がいるんですが、これを施工するのにも技術がいります。平に作ってあるとはいっても微妙な捻じれは当然発生しているので、1枚1枚の瓦の癖を見極めて調整しながら施工していかないとなんです。

 

塀に瓦を施工する事も減っています。

 

目板瓦が減ったのはそもそも塀に瓦を施工する事自体が減ってしまった事も原因です。それ以上に塀のある家が激減しています。分譲地で大量生産される住宅はそもそも塀が必要なほどの敷地もないんですよね。
それに自動車の普及で敷地内に駐車場が必要になった事で塀があると生活するのに不便になった事も要因ではないかと。
今では塀に瓦を施工するのは年に1回あるかないかになってしまっているので、こんな風に目板瓦が新しく施工されているのを見るととても嬉しいです。