姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

焼き直しの鬼瓦が届きました。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今年に入ってからいろいろな所から値上げの連絡が入っています。仕事で使う資材や材料関係は値上げの連絡がないものがないくらい瓦も副資材も全部値上がりします。ガソリンもびっくりするくらい高いし、しんどいなぁって思っていたら今度は缶詰などの食品の値上げのニュースがラジオから流れてきました。夕方にはチーズ関係も値上げとの事です。我々の仕事は見積もりしてから数カ月後に着工する事が多いので材料が値上がりしたからって転嫁するのは難しいんですよねぇ。仕事するにも生活するにもしんどい時代です。

 

焼き直しをお願いしていた鬼瓦が届きました。

 

私の祖父が焼いた瓦が施工されていた住宅のリフォーム工事をさせて頂いていて、すごく立派な鬼瓦が載せられていたという話をブログで紹介しました。鬼瓦は焼き直しをして再度屋根に揚げる事になるんですが、その焼き直しを窯元さんにお願いしていたんです。その鬼瓦が今朝届きました。
50年の歳月でいぶしが落ちて全体的に黒くなっていて、ところどころ欠けたり大きなクラックが入っていたんですが、それらもすべて補修されて綺麗ないぶしの鬼瓦として復活しています。

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運搬にも取り付けにも物凄く気を遣います。

 

凄く立派でカッコいい鬼瓦なんですが、このレベルになると現場まで運ぶのも屋根の上に揚げて取り付けるのも物凄く気を遣います。あちこち尖っているので、ちょっと引っ掛かっただけでも折れてしまいそうになるし、運搬中の振動でトラックの荷台で滑ったりしたらそれだけでも破損しそうなんですよね。
流石に落としでもしない限りは本体が割れる事はないけど、それでもこれだけ綺麗に仕上がっているものはめちゃくちゃ気を遣います。

 

鬼瓦を設置する工事自体が減っているみたいです。

 

うちの会社では和瓦を施工する工事が多いので鬼瓦は当たり前に設置していますが屋根業界全体で見ると和瓦を施工する仕事自体が激減しているみたいです。新築工事では大半が鋼板や薄型のスレートの屋根材になっていて、陶器瓦の仕事やったとしても平板がほとんどなので鬼瓦を取り付けて棟を積むのはかなり珍しくなっているみたいです。
リフォームでも瓦を撤去して鋼板屋根にする工事の方が多くなっているという話をあちこちで耳にします。
個人的に和瓦が一番好きなのでとても寂しいんですが、これも時代の流れなのかなぁ?
和瓦の施工を出来る職人さんが激減した頃に価値が見直されそうな気がします。