姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

銅製品は長期間、1点に水が集中すると穴が開きます。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今年も母校の明石高専建築学科の卒業生を対象にした卒業研究展の公開審査が行われます。今日はその直前の打ち合わせをZOOMで行いました。その中で話題になったんですが、私が明石高専建築会に参加してもう10年ほど経つみたいです。もうそんなに時間が経つのかって思う反面、ここ2年ほどはZOOMでの参加になってしまっているのでイマイチ活動している感覚がないんですよね。ボチボチしっかり活動したいものです。

 

雨樋にもいろいろと種類があります。

 

雨が降った時に屋根が受け止めた雨は屋根の勾配に沿って軒先に集められます。それをそのまま落としてしまうと壁や窓に当たって壁からの雨漏りの原因になるし、建物に出入りする時にずぶ濡れになってしまうのでそれを防ぐために軒先に取り付けられるのが雨樋です。現在は塩ビ製のものが主流で、他にも樹脂製のものやアルミ製、ステンレス製のものもありますが、昔は銅製のものがほとんどでした。

 

銅は薄いと腐食しやすくなるんです。

 

昔の銅板は技術的な問題もあって、厚みがそれなりにありました。そのおかげでかなり長持ちしていたんですが、技術の発達と共にそれが薄くなっていったんです。そのおかげで樋にかかる予算は低く抑えられるようになったんですが、その代わりに耐久性が落ちてきました。
屋根で銅が使われる場所というのは基本的に集めた水を受ける場所に使われるんです。結果として薄くなった銅は腐食しやすくなってしまったんですよね。

 

銅製の樋は大穴が開いている事があります。

 

屋根の流れが直交する場所を「谷」と言って銅がよく使われていて、これまでもブログで穴が空きやすい場所として紹介してきました。でも穴が空きやすいのは谷だけではないんですよね。軒先にある銅の樋も穴が空きやすいんです。

f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20220226225659j:image
そして流れる水が多い樋に穴が空くとその穴から水が駄々漏れになります。その下に下屋の瓦があると受けきれなくなる事があります。風が強いとその水が壁に当たって雨漏りにも繋がります。
穴がすぐに雨漏りに繋がるとは限らないけど雨漏りの原因にはなり得るので、放置せずに修理した方がいいです。ベストは樋の架け替えですが、銅の場合は銅板を使ってパッチ処理すると応急処置で時間稼ぎが出来ます。