姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

現場でスムーズに仕事をするための準備も必要です。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
毎年今の時期になると事務所の前のイロハモミジがいい感じに紅葉していて綺麗やからライトアップしていたんです。でも昨年くらいからちょっと木の調子が悪くなってきて枯れてる枝が出てきたんですよね。今年も半分くらいは枯れてしまっていい色になっている枝が少なくなってしまっています。植木屋さんにも診てもらったけど、ダメかもしれないなぁって言われています。周辺に種が落ちてそれが大きくなってきているから植え替えした方がいいかなぁ。

 

現場でスムーズに作業するための下準備が大変です。

 

基本的に瓦の工事は現場に瓦を搬入して現場合わせで瓦を加工していきます。事前に加工しても現場に持って行ったら寸法が合わなくて結局再加工しないといけない事が多いのでそれなら最初から現場加工で工事する方が効率がいいというのが理由ですね。
ただ、瓦の種類によっては事前に寸法切りしてきっちりとすり合わせておかないといけないものもあるんです。
そういう瓦を現場でスムーズに取り付ける作業をするための下準備を「合端(あいば)」と言います。

 

軒先の一文字瓦の合端は根気が必要です。

 

主に目が近い所に施工する軒瓦や門や塀などの丸瓦で合端作業をする事が多いんですが特に軒先の一文字瓦の合端は根気が必要です。出荷段階では一文字瓦は少し大きめに作ってあるので、それを桟瓦の効き幅に合わせて寸法切りしておいて、それから必要枚数を並べて隣の瓦との隙間を少しずつ削ってなくしていく作業が必要なんです。
人間の眼って自分で思っているよりも遥かに高性能で0.1mmくらいの隙間ならパッと見て隙間があると判別出来てしまうくらいなんです。そして桟瓦の寸法との兼ね合いもあるので削るのも本当に少しずつやらないといけないんですよね。

 

一級技能士の実技試験になっています。

 

この一文字軒瓦の合端作業は技能検定の一級技能士の実技試験の課題としても採用されているんです。これが出来ないと一級技能士になれないんです。でも最近はそういう仕事が劇的に減っていて、技能検定以外で一文字の瓦を触った事がないという人もかなり多いんですよね。技能検定ではせいぜい9枚程度(役物含む)の合端でいいんですがそれでも時間制限があるとなかなか冷静に合端する事が出来ずに失敗してしまう事も多いんです。
最近は見た目だけ一文字軒瓦に見えるような商品も出てきているけど、職人の技能を残していくためにもこういう仕事があるのは有難いですね。

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