姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦の修理では新しくなるわけではありません。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
毎年の事ですが、誕生日近辺のfacebookの投稿で過去の思い出が表示されてきて結婚式の写真などが出てきます。もう9年も前の事になるんですよね。結婚式当日はそれまでの準備が何やったんや?ってくらいあっという間に時間が過ぎて、気が付いたら終わってたって感じやったのをよく覚えています。

 

瓦の修理をするとそこだけ色が変わります。

 

一口に瓦の修理と言ってもいろいろな修理があります。既設の瓦をそのまま再利用する方法もあるし、瓦の異常が原因で修理する事になったら瓦そのものを交換しないといけなくなります。当然、瓦が新しくなるとその部分だけは瓦の色が変わります。
葺いてある瓦と同じものが予備として置いてあったら色の変化は比較的マシではあるけど完全に新しいものになると本当に同じ色?って思うくらいに色が違う事もあるんです。

 

「色が違う」ってクレームになる事もあります。

 

最近はそんな事は減ってきましたが、昔は修理した後で「瓦の色が違う」ってクレームが来る事もあったんです。「同じ色の瓦を用意したけど、何十年経った瓦と新しいものとでは瓦の色が違うように見えるんです」って説明しても分かってもらえない事も多いんですよね。
「古い部分の瓦の色が新しくなっていないのは何故?」って言われた事もあるくらいです。古い瓦を再利用しますという見積もりを出して、何回もそういう説明をしていても修理した後にそんな風にいう人もいて困った事もあります。

 

修理で新品同様にはなりません。

 

屋根面の不陸(凹凸)もよく言われますね。修理しているのに屋根面に凹凸があるっていうのはお客さんだけでなく現場監督からも何度か言われました。屋根を全面的に葺き替えする場合でも本職の大工さんが入らない限りはある程度の不陸は出てくるもので、それを我々は目立たなくする事は出来るんですが、そういう処置をせず「不陸が直っていないから直せ」という理不尽をいうんです。そもそも屋根面の不陸が大きくなる場合は野地よりも下の小屋組みで下がってしまっている事が多いんです。私たちが工事する時は野地面より上で作業をするので、そこで10センチとかの調整って出来るわけがないんですよね。納得してもらえるまで説明するのに凄く大変やったのを今思い出しました。
修理というのは新しくするんじゃなくて古いものを活かして不具合が出ないようにするってだけの工事ですが、一番知識と技術を要する仕事なんですよね。

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