姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

雨が降ってからでないと雨漏りは見つかりません。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
台風、進路が大きくズレて姫路はちょっと強めの雨程度で済んだので助かってますが、大阪あたりはかなりの大雨になってるようですね。大きな災害にならない事を祈ってます。

 

雨が降るから雨漏りします。

 

当たり前の事なんですが、雨漏りというのは雨が降るからするものです。そして漏った雨が室内に出てきてはじめて住んでる人が雨漏りに気付く事になります。でも室内には出てきてなくても雨漏りが発生してる事もよくあります。
実はこれが一番性質が悪いんです。なぜなら雨漏りしてる事に気付かないので雨が降ると必ず雨漏りする事になるからです。このケースでは雨漏りに気付いた時には瓦を支える屋根の野地板や垂木という木の構造の部分まで修理しないといけなくなるんです。
雨漏りしてるのが目に見える部分に出てきてたらすぐに指摘出来るんですが、基本的に自分の家の屋根を見下ろす事ってありませんよね?

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下葺き材の進化で雨漏りは複雑になりました。

 

瓦を施工する場合、新築でも葺き替えでも瓦を留めつける桟木を施工する前に下葺き材というものを貼ります。我々はルーフィングと呼んでいますが、このルーフィングが近年すごい進化を遂げています。
元々は万が一瓦の下に雨が入った時に室内に雨漏りが浸透する事を少しでも遅らせる為に施工していたもので、昔は杉の皮を敷いていました。その上に屋根土を載せて瓦を葺いていたので土が雨を含むのと下葺き材とで雨の侵入を遅らせて、少しの雨なら室内には入らないようにしていたんです。
その代わりをルーフィングはしてくれるんですが、性能が良すぎて瓦が不具合を起こしてる所から雨が入ってもルーフィングの上を伝って別のところから室内に入るようになってしまいました。

 

雨が降ってる最中には雨漏り修理は出来ません。

 

たまに雨が降ってるからシートを掛けて欲しいって言われる事があります。基本的に雨や強風時には屋根の上での作業はしてはいけない事になっているので工事させてもらってる現場じゃない場合にはシートを掛けるというのはお断りさせてもらってます。
でも工務店や施主さんからお叱りの連絡があるとブルーシートを持って飛んで行く事もたびたびあります。本当はどれだけ怒られても会社としては「出来ません」って言わないといけないんですけどね。
もしそこで万が一の事があったら元請の会社も施主さんももちろん下請けになってる瓦屋さんも責任を問われます。
基本的には雨の日には従業員は休んでいるので、たいていは私が走る事になってますが、従業員じゃないからいいって問題でもないんですよね。だから着工したら雨が降っても雨漏りの心配がない段階に工事が進むまで晴れる事を祈るのみなんですが、天気は思うようにいかないです。
考えてみるとちょっと理不尽やなぁって思わなくもないんですが、危険やと分かっていても「お客さんのため」って言葉が免罪符になって危険作業をしてしまう現状はなんとか改善したいなぁ。