姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

AIが必要な場所ではAIの仕事がありません。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
昼過ぎから予想外の雨で仕事の予定がまた狂いました。寒くなってくると雨は少ないはずなんですが、これも異常気象のせいなんかなぁ??瓦の裏にはやたらとカメムシが隠れてるのを見かけるので、この冬はまた雪が多いかもしれません。

 

職人さんが不足しています!!

 

建築関係の現場仕事全般に共通して言える事やと思うんですが、人材不足がかなり進んでいます。現場監督も足りないという話を聞きますし、職人さんに関しては言わずもがなですね。高齢化でどんどん引退する人が増えているのに若手の職人候補が少な過ぎです。
同業者同士で話をしていても、「新規で人を雇わなくても今の人員で十分に仕事が回せるからわざわざ若い人を採用して人材を育てなくてもいい」という意見をよく聞きます。
短期的な目で見ると確かにその通りなんですよね。人件費を抑えるのが一番経費を節約しやすいし一から人を育てるとなると現場で仕事をしている職人さんの負担も増えて、作業効率が落ちてしまいます。忙しい時だけ応援を頼んで凌げたら後は少ない人員の方が経費が少なくて済みますから。
当社でも今は台風の修繕などが集中していて全く人手は足りていませんが、平時の事を考えると人を増やす余裕があるとは言えません。

 

10年後に平均年齢が10歳上がってる事になりかねない。

 

このブログでも何度か書いてますが、もともと職人さんの業界というのは学校卒業者を新卒で定期的に採用する文化がありません。職人さんを1人一人前に育てるための時間と労力を考えると毎年新人が入ってきたら仕事にならないんですよね。それに昔は職人になりたいって人も一定数は居て、住み込みの弟子みたいになってる人もそれなりに居たんです。
それが高度経済成長以降、大手企業が学卒者に対して青田刈りもいいとこな採用をするようになって状況が変わっていまいました。
少子化高齢化でこれからどの業界も人材不足に悩まされる事になるというのは既定路線になりつつありますが、このままでは10年後に業界で働いてる人の平均年齢が10歳上がってる事にもなりかねない状態です。

 

AIを一番導入したいのは建築現場かもしれません。

 

AIの導入で今ある仕事の何割かは人間がしなくてもよくなるという話をよく耳にします。そういう話の時は大抵は働く先がなくなるっていう論調なんですが、経済的な理由ではなくAIを導入したいのが建築現場なんじゃないかと思います。人手が足りなくなるし、危険な場所での作業もあるのでAIに仕事がしてもらえるならそれはそれでいいんじゃないかって思うんですが残念ながら現在のAIは単純な反復作業などは出来ても経験を蓄積して臨機応変に対応するというのが難しそうなのと常に環境も仕事をする場所も変わるのでその現場に合わせたカスタマイズが難しいので実現出来そうにありません。埃や突然の雨など精密機械には向かない環境でもあるし。
まだまだ職人それぞれが個性を発揮しながら仕事をしていかないといけない時代は続きそうですね。

 

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