姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

新しいけど古い?建築物の復元は新築よりも難しいんです。

こんばんは。


姫路の瓦屋さん表(おもて)です。
今日から仕事始めのところも多いみたいですね。
うちは明日、初出して従業員一同で安全祈願に行って一年の
スタートを切ります。

 

初代兵庫県知事伊藤博文が仕事した建物の復元計画があります。

 

今日の神戸新聞の一面に載っていた記事です。
初代内閣総理大臣伊藤博文兵庫県の初代知事やったって事を
知ってる人ってどれだけいるんでしょう?
当時20代やったらしいんですが、いくら平均寿命が短い時代や
と言ってもそんなに若くして知事をやれるって凄いですね。
そんな伊藤博文が知事としての仕事をしていた建物の復元計画が
持ち上がっているそうです。

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県政150周年の記念の事業にしたい考えだそうですが、詳しい
資料が残っていないようで、各地の類似の建物を参考にして図面
や模型を作ったとの事。
今でこそ建築物の図面は届出が必要で、資料としても残る事が多
くなっていますが、当時はまだまだそんな資料を残す事も少なく
残っていてもその後の戦争や開発で失われてしまっています。

 

新築するよりも昔の建物を復元する方が難しい。

 

住宅の増築やリフォームする時にもよく言われる事ですが、建物
は新築するのが一番手間が少ないんです。
既存の建物に合わせて建物を増やしたり、残したまま中身を変え
たりするのは安易にやってしまうと後で致命的な欠陥になったり
する事もあります。
そういう意味では今はもうない建物を復元するというのは一番難
しいかもしれません。今の技術で新しく建てるのではなく、建て
られた当時の技術だけでなく考え方までトレースするのが「復元」
やからです。図面がないというのは更に難易度が高いですね。
写真の模型を見る限り、屋根は入母屋なので瓦屋根かな?
こういう面白そうな仕事に携われるようになりたいなぁ。
情報収集しなきゃです。

 

残っている大規模建築って現代に再現するのはとても難しいんです。

 

お寺でよく見かける五重塔は今、木造で建てようとすると滅茶苦
茶難しいと言います。
重機や電動工具のない時代の建物をそれらを使い放題に使える現
代に建てる方が難しいというのは不思議な感じですが、道具や工
具の発達が技術を衰退させてしまっているって事ですね。
どうやって建てるかって事を考えて工夫する力も衰退しているの
かもしれません。
初代兵庫県庁がどんな風に再現されるのか、めっちゃ興味有るの
でこれからもこの情報は追いかけていきたいと思います。