姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

所変われば・・・を実感しました。

こんばんは。

姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。

朝が涼しくて油断してタオルを持って出なかったら日中の暑さが半端なくて汗だくになりました。

汗をかかないよりは健康的かな?とは思うけど限度がありますね。

 

それぞれの地域にその土地に合った瓦があるというのを実感しました。

 

今日は屋根外装協会という会の移動例会で広島まで来てました。今帰りの新幹線の中です。ちょうど正午くらいに広島に着いて、竹原の町並みを見学会しながら町並み保存の取り組みについて説明してもらったんですが、広島から竹原に移動してる車から見る風景が関西のものとは大きく違っていました。

関西では瓦の屋根の半分以上がいぶし瓦で、釉薬瓦は色の統一感があまりないんです。でも広島の町並みは屋根が赤いんです。赤い瓦か真っ黒の瓦がほとんどでいぶし瓦は100件中1件あるかないかでした。

中国地方の瓦は島根県の「石州瓦」が主に使われているのでこういう「来待色」と言われる赤い瓦が多いんです。

 

普段は見る事が出来ない地域の屋根を見れるのは旅行や出張の楽しみです。

 

竹原への道中は赤い屋根か黒い屋根ばっかりやったのに竹原の伝建地区に入ると急に古いいぶし瓦ばっかりになるんです。

伝建地区というのは「伝統的建造物群保存地区」の事で町並みが文化財として登録されていると考えるのが一番分かりやすいかと思います。

江戸時代頃の塩田で栄えたところでいかにもお金持ちやったんやろなぁっていう古くて大きな屋敷が今も残っています。

昔からいぶし瓦は高級品やったって事かな?

NHKの朝ドラ「まっさん」のモデルになった竹鶴政孝の生家の竹鶴酒造の建物も残っていて、建築年代毎の特徴がはっきり分かるのが面白いんです。


f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20170802215959j:image

 

どこも課題は同じやけど取り組みへの力の入り方は見習わないとです。

 

竹原でも課題は少子高齢化で住民が減って空き家が増えているとの事ですが、それでも市がその町並みを残す方向で意識を統一していて、観光地としてよりも古い町並みを生活の場としながら残そうとしているとの事です。

一番大変で時間のかかるやり方じゃないかと思うんですが、それだけ町並みを大事にしているって事なんですよね。

姫路も見習わないといけない部分って多いんじゃないかなぁって思います。