姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

プロでも直せるものと直せないものがあります。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今回の台風の仕事への影響は通過した後の初動は遅かったのにじわじわと問い合わせが増えてきています。毎日現場調査に行ってるのに1日の終わりには朝と同じだけ未調査の物件が残っていて仕事したのか微妙な気分になります。

 

メンテナンスしてないと手遅れになります。

 

台風に関係なくここ数年で劇的に増えた事例があります。これまでずっとメンテナンスせずに放置してボロボロになった状態でリフォームせずに雨漏りの修理だけして欲しいという事例です。
そういう屋根は現場に到着して見上げた瞬間に「あ、これはアカンわ。」って思ってしまうんです。それでも屋根に上がって状態を確認しないとお客さんも納得されないので上がるんですが、こういう状態の屋根って瓦の下の木部が腐ってないのかはっきりと分からないのでめちゃくちゃ怖いんですよね。
瓦の強度も無いに等しい状態になってるので一歩一歩ゆっくり足元を確認しながらの移動になるので時間もかかります。

 

簡単に止まる雨漏りと止められない雨漏りの違い。

 

瓦の強度が十分にあって、1枚だけ割れてたりとか谷の金属部分に穴が開いてるといった状態は雨漏りを止めるのはそれほど難しくありません。悪くなった部分を取り換えれば済むんです。
難しいのは表面上は全く不具合がないのに雨が漏る事例。解体しないと見えない場所にある原因を推測してその部分を解体しないといけません。それでも原因を特定出来たら修理は可能です。
お手上げなのは悪いところがあり過ぎて葺き替えしないといけないような状態やのに「応急修理で雨漏りを止めて」と言われた時です。「私が生きてる間だけ保たしてくれたらいいから」と言われても難しいですよねぇ。全部葺き替えする予算はないからって言われても触れば触るほど修理する箇所が増えてしまうんです。

 

中途半端に古い瓦が一番難しい。

 

50年とか60年以上前の瓦は比較的強度が残っています。20年前以降の瓦も大丈夫です。一番問題なのは40年から50年くらい前の高度成長期に建てられた住宅の瓦ですね。
焼きが甘くて凍て易い上に鉄釘や亜鉛釘を使って施工されているので釘が錆びて瓦が割れる原因になっています。釘割れが出ている屋根では当時丁寧な仕事をしている方が割れてる枚数が多いので被害が拡大してしまいます。釘で留めつける枚数を減らしている手抜き工事の方が長持ちするのは皮肉としか言えませんね。

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瓦に凍害が出始めたらその屋根は寿命やと思ってもらった方がいいです。5年だけ保たせてっていう依頼が一番大変なんですよ~。