姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

固定観念からの脱却には外部の人の力が必要ですね。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
そろそろ年末の挨拶周りに行かないといけない時期やのに相変わらず現場がバタバタしています。年内に完了できる工事と出来ない工事の仕分けをしていかないとです。

 

瓦は屋根の上にあるもの??

 

瓦というと基本的には屋根の上にあるものです。特に我々のように工事業をしているとその意識が強くなりますが、実際には壁に使われている「なまこ壁」や床に使われている「敷瓦」のように必ずしも屋根の上にあるものではありません。
最近では庭で使われていたり、タイルとして使われていたりもしていますし、装飾品やコースターにもなっています。
製造メーカーがいろいろな瓦の使い方を模索して新しい商品を生み出している一方で工事業は「瓦は屋根の上に施工するもの」という固定観念に囚われてしまって自分の首を絞めているように思います。私自身、何か新しい事をって考えてみてもなかなかいいアイデアは浮かびません。
とは言っても奇抜なアイデアを出せばいいというものでもないのが難しいところです。

 

屋根の上に使われている瓦そのままでもいろいろな使い方がある。

 

今現在、私たちが施行している瓦の形そのままでもアイデア次第でいろいろな使い方をされています。例えば淡路島の「かわらや」さんでは鉄板の代わりに七輪の上で瓦を使って焼肉をしてみたり、淡路の組合では夏に瓦を使って流しそうめんをしたり。棟(屋根の一番てっぺんの部分)に使うのし瓦を使って「瓦割体験」をしているところもあります。
そして今日、父が知り合いに「瓦に絵や文字を書いてもらった」といって帰ってきました。
いぶしの色なのであまりカラフルなのは難しいかもですが、こんな風に白い文字や絵で描かれているとちょっと面白いです。日常的に仕事で瓦を扱っていると思い浮かばないんですが、普段瓦と接点がない人やとこんな発想も出来るんですね。

 

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「守・破・離」って何事にも通じる考え方ですね。

 

剣道や弓道、茶道や華道など「道」とつくものに共通している考え方に「守・破・離」というものがあります。修行の段階を表すもので、最初は流派の教えを守り基本を確実に自分のものにして、次にその教えを破って他の流派や師の教えなどを取り入れて発展させ、最後に1つの流派から離れて自分独自のものを作り上げるという考え方です。
武道や芸事だけじゃなく、仕事にも通じる考え方やけど仕事ではなかなか「守」の段階から次に進む事が難しいのかもしれません。特に伝統的な技能を必要とする仕事では技能を磨くための仕事を確保する事が難しくなっている事で業界全体がステップアップ出来なくなっているような感じがします。
職人さん1人1人のステップアップも必要やけど業界としてのレベルアップも必要で、いろいろ考える機会が出来ている今がそのチャンスですね。もっと脳みそふり絞って考えないとです。