こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
昨日までの週間予報が見事に変わっていい天気が続く予報になりました。今日はこのまま梅雨明けしてしまうのか?って思うほどいい天気で暑くなりましたね。まだ日本の南の会場には前線が停滞していて海の上で雨を降らせているし、九州南部の大雨では土砂崩れなども起きているので油断は禁物ですが、出来ればこのまま梅雨明けになって欲しいなぁ。
屋根材によって家の中の温度が大きく変わるんです。
ここ数年は省エネ住宅が普及した事もあって、夏場にエアコンを使うのが当たり前になっていますが、そもそも30年ほど前はエアコンって各家庭に1台あるかないかの普及率やったような気がします。今のものと比べると性能が落ちる上に住宅そのものも気密性がなくてせっかく冷やした空気が隙間から逃げていくので物凄く電気代がかかるものでした。
でもそれなりに快適に過ごせていたのは屋根が和瓦の家が多かったからじゃないかと私は思います。瓦の組合が行った実験によると和瓦と平板瓦と薄型スレートを同じ時間太陽光に当てて、天井裏の温度を測ったところ和瓦は48.9度、平板瓦が52.9度、薄型スレートが57.9度と瓦と薄型スレートでは10度近い差があったんです。
上が屋根材の表面温度のサーモグラフィ画像で下が実際の屋根材(1枚)です。
和瓦の裏側には対流空気層が出来ています。
これだけ温度に差があるのはスレートは屋根材が屋根面と密着していて太陽光で発生した熱がすべて裏側に伝導してしまっているのに対して瓦では屋根面と屋根材との間に隙間(空気層)があって、なおかつ和瓦では暖められた空気が抜けていくための空間が作られているので常に瓦と野地面との間の空気が循環している事が原因です。
さらに昔の建物は瓦を土で葺いていたので土が断熱材と調湿材の役目も果たしていて湿度もコントロール出来ていたので余計に瓦屋根の方が涼しく感じるんですよね。
日本の風土にあったつくりになっているんです。
伝統的な日本の住宅はもともと梅雨から初夏にかけての蒸し暑い時期に過ごし易いようにと考えて作られています。軒が深いのも太陽光が部屋の中に入って室温が上がるのを防ぐためのつくりなんです。
室内を明るくするっていう考え方は実は昭和の終わりごろから平成にかけての分譲住宅で採用された構造なんです。エアコンが普及して室温を強制的に下げられるようになった事が大きな要因ですね。
新しい家は電気を使わないと快適に過ごせないので、真夏や真冬に停電した時にどうするかを考えておいた方がいいかもしれません。