こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
毎日ブログを更新し始めて早11ヶ月が経ちました。「やらなきゃ」って焦りから始めたブログやけど、やるって決めてやってみると続くもんですね。去年の今頃の自分に喝を入れたいっす。
飾り瓦は昔の方が手の込んだ物が多い気がします。
先日竹原の町を歩いた時に店舗の庇の瓦の上に恵比寿様と大黒様の飾り瓦が載ってるのを見つけました。
こういうのを見つけるのが古い街歩きの楽しみの1つです。飾り瓦だけじゃなく、軒先の瓦や鬼瓦の紋やったり鬼瓦そのものやったりいろいろあるんですが、最近の物は既製品が多くて代わり映えしない事が多いんです。
もちろん、きちんと予算をかけて鬼師さんの手作りのものを使ってるところも皆無ではないんですが、飾り瓦に関しては現代よりも50年以上前のものの方が手の込んだものが多いんです。
長く使われる瓦やからこそ縁起のいいものがたくさん作られていたんですね。
技術の進歩は人の手がかからない事を価値にした?
現代ほど技術がなくて機械も発達していなかった頃はどんなものでも職人が手を掛けて作るのが当たり前でした。それが当たり前で当時はその事そのものには今ほどの価値がありません。それが技術が発達して機械化が進んでくると、人の手で作れるものでも機械で作れる事が技術力の証明になったんです。
同じ物が大量に作れる事が価値になった時代は値段が安い事も価値になったので人の手でコツコツと作るものは高くて敬遠されるようになりました。
現在は物の品質が良いのは当たり前の世の中になってきた事もあってそこにどんな付加価値が加わるかが問題になってきていると思います。
モノの裏側に「物語」があったら大量生産品でも価値になる。
職人が手を掛けて作ったものでも何も伝えなかったらその「モノ」の価値は作った職人さんにしか分かりません。逆に大量生産品でもその材料を開発するのにこんな苦労がありましたってPRがあるとそれが人気のモトになったりもします。
我々が扱う瓦は工業製品なんですが、そういういろんな「物語」を載せやすいものやと思うんです。
窯元での製造段階の話から現場に到着した後の施工時の話。それに屋根の上に施工されてからの家の話まで本当にいろいろな「物語」を紡いでいけるはずなので、どんな風にそれを発信していくかが私たちの課題ですね。