姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

飾り付きの鬼瓦は今ではほとんど使われていません。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今日は1月17日。阪神・淡路大震災が起こった日です。当時私は高校2年生でした。県内の別の高校に行っていた友達の中には修学旅行から帰ってきたら震災で街がエラい事になっていたという人もいました。私は姫路の家に居て長く揺れたものの、最初はあんなに大きな被害が出るとは思いもしていなかったことを覚えています。
関東方面では震災といえば東日本大震災ですが、関西では未だに阪神・淡路大震災の記憶の方が強いです。

 

飾り付きの鬼瓦を取り外しました。

 

今日は瓦の葺き替えの現場の着工日でした。大きな住宅なので1日では瓦降ろしは完了しないので、大屋根から瓦を撤去していくんですが、下屋の棟に設置してある鬼瓦だけは先に取り外す事にしたんです。というのも飾り付きの鬼瓦で工事の途中で何かが当たったり引っかかったりして壊れてしまうと修復するのが大変だからです。
玄関と裏側の棟についていたのは龍の鬼瓦でした。どちらも私の祖父が瓦を製造していた時代のもので、両方とも「表瓦 二代目」の文字が書いてある貴重なものです。
この瓦はメーカーに依頼して焼き直ししてもらう予定です。

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鬼瓦は焼き直しする事が出来ます。

 

こういう飾り付きの鬼瓦は今も昔も手作りの貴重なものです。でも昔はまだ瓦の家も多かったし、飾り付きの鬼瓦の制作を依頼される方も多かったみたいです。
今、これだけのモノを作ろうと思うと予算がかなりのモノになってしまいます。大きさだけならまだ月に1軒くらいはこれくらいのサイズのものを取り付けていますが、飾り付きの鬼瓦の制作依頼は私が瓦の仕事を始めてから今までで2軒あったかなぁ?ってくらいです。
でも古い鬼瓦を焼き直ししたら新しい瓦と同じいぶしの輝きが戻ってくるんですよね。予算も新規製作に比べたら格段に抑えられるので思い入れのある鬼瓦などは焼き直しをオススメしています。

 

紋やロゴなどを入れる程度であればもっとリーズナブルです。

 

飾りを手作りするような鬼瓦は予算がべらぼうにかかってしまいますが、既製品の鬼瓦を作る時に家紋などの「紋」やロゴ、マークなどを入れる事は比較的容易に出来ます。
予算もそこまで大きくならないので家を建てたりリフォームしたりする時のワンポイントとして何か印を残したいという時にオススメです。
新築やリフォームの計画段階で「こんな事は出来ませんか?」って問い合わせして頂くといろいろと提案出来て、より一層家に愛着が沸きますよ。