姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦の原材料は粘土なので造形にはかなり自由度があります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
私が瓦の仕事に就いてかれこれ17年になります。「もう」17年なのか「まだ」17年なのかなんとも言えないところですが、その17年の中でも8月のこんな早い時期に台風が西日本に上陸した事ってなかったように思います。もう何件か台風の修理の問い合わせを頂いている状態です。昨年は台風の上陸がなかったんですが、今年は去年の分も来そうで怖いです。

 

瓦の原材料は粘土なんです。

 

意外と知られていない事なんですが、瓦の原材料は「粘土」だけなんです。釉薬瓦に使われている釉薬にしても自然素材で出来ているし、いぶし瓦にいたっては粘土を成型したものをガスを使って焼成するだけです。
人工物を一切使っていないので廃棄する時でも有害物質は出ないんですよね。あ、40年くらい前に作られていた一部の釉薬瓦の釉薬には「亜鉛」が混ざっていたという話も聞きますが、今ではあまり残っていないのと、大きな問題になるほどの量が流出する事はないみたいです。

 

焼成前の粘土はいろいろな形を作れます。

 

桟瓦や軒先瓦、棟に使うのし瓦など形が決まっている瓦はプレスと型を使って大量生産しますが、一部の飾り瓦や鬼瓦などは今でも「鬼師」と呼ばれる職人さんが手作りで作っています。鬼瓦や飾り瓦の材料も粘土なので、造形はかなり自由度が高いんです。
うちも昔は製造をしていた事もあって製造していた飾り瓦の在庫はいくつか持っているし、三州のメーカーさんから頂いた「ガンダム瓦」も事務所には飾ってあります。
上手く乾燥と焼成が出来ればどんな形でも作れるんですよね。

 

神社やお寺には変わった飾り瓦が多いです。

 

神社やお寺に行くとそこに祀ってあるご神体をモチーフにした飾り瓦を使っているところが多いのでいろいろと変わった瓦を見る事が出来ます。
以前工事させていただいた神社では猿を祀っているとの事で屋根の上に猿の飾り瓦を設置した事もありますし、他にも龍や狛犬などを祀っているところも多いですね。

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一般の家庭でも塀の飾りとして七福神があったり、鷹や牡丹などを飾ってある家もあります。
最近はそういう遊び心がある家も少なくなっているんですが、こういう瓦を設置する現場があるとちょっと嬉しくなります。