姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

製造していた頃の型が出てきました。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
お盆を過ぎると流石に秋の気配も濃厚になってきますね。昼間はまだまだ暑いけど夕方には秋の虫の声が涼やかに聞こえるようになってきました。まぁ、残暑も厳しくてまだまだエアコンなしでは過ごせないんですが。
暑いのももうしばらくの我慢ですね。

 

少しずつ倉庫の片付けを進めています。

 

事業再構築補助金を使って倉庫を建て替える計画を立てて、採択はして頂いたんですがまだ具体的に動き出せていません。見積書を提出して交付申請をしないといけないんですが、今年に入ってからの資材の値上がりの影響もあってなかなか見積もりが難しくなっているみたいなんですよね。それでも年内には事業を完了したいので出来る所から進めていこうという事で予算には入らない倉庫の片付けなどを少しずつ進めています。

 

製造をしていた頃の古い瓦の型が出てきました。

 

うちが瓦を製造していたのは阪神・淡路大震災の前の年までなので28年くらい前になりますね。その頃に使っていた瓦の型を倉庫に保管していたんです。どこにどんな風rに保管していたのか、私も把握しているので「出て来た」というのとは性格には違うんですが、知らない職人さんからしたら「出て来た」なんですよね。
私は子供の頃から遊び場にしていたので慣れ親しんだものですが、瓦の製造の現場を知らない職人さんたちにはかなり珍しいものに思ったようです。

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木型と石膏型が残っています。

 

型と一口に言ってもいろいろな素材のものがあります。今一番使われているのは鋼鉄製のものですね。プレス機を使うので強度が必要になりますが、耐久性も高くて大量生産に向いています。
うちでも使っていましたが、残っている型の中にはありません。残っているのは木型と石膏型ですね。木型は桟瓦や冠瓦、のし瓦のもので石膏型は鬼瓦と瓦の紋のものが残っています。
うちで作っていた瓦と全く同じサイズのモノはもうないので、残っている型で作ろうと思えば作れるんですが、全部手作りになるのでコストが高いんです。

 

処分は考えていないけど何か活用出来ないかと考えています。

 

うちの近所は昔は瓦の産地としてちょっと有名な場所やったんですが、今は瓦関係の仕事をしているのがうちしか残っていないんです。だからこういう型はすごく貴重な資料でもあるので、どれだけ保管に場所をとるとしても処分は考えていません。
でもただ持っているだけというのも勿体ないなぁって思うんです。製造の設備もなければ展示するような場所もないのは宝の持ち腐れのように感じてしまいます。
何とか活用出来ないかって思うんですが、難しいですね。