姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

雨の日に職人さんの仕事をどうするかが課題です。

こんにちは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
屋根の工事をしている職業柄、天気予報は休みの日でもチェックしてしまいます。工事中の現場は雨漏りの心配がないように対策しているものの、想定外の大雨とか突風の可能性も頭に入れておかないといけないというのもあるけど、ほとんど癖みたいになってると言った方がいいかもしれません。
なので家族もテレビやネットで天気予報を確認するよりも先に私に確認してきます。
たまにバタバタしてて情報の更新が遅れていると「なんで知らんの?」って言われる事もあるし、最近はほんの数時間で予報が大きく変わる事もあるので油断できません。

 

雨の日は職人さんは休みです。

 

昔から瓦の業界は雨が降ると仕事は休みでした。瓦を葺く時に土を使っていたので雨が降るとその土が流れてしまうし、瓦を汚してしまうという事情もあったし、何より屋根の上で雨の中作業をするのが危険やからです。
最近ではかなり滑りにくい材料や足袋、作業靴なども出てきていますが、雨が降ると現場作業が基本休みになるのは今も変わっていません。そんな事情もあって雨が多い梅雨や台風の時期には職人さんの給料が激減していました。それを補うために瓦職人の日当は高く設定されていたんですが、バブル崩壊の後の景気の落ち込みとデフレの影響でそれがどんどん安くなりました。元請さんの感覚からすると法外に高い日当やと思われたんでしょうね。
そして瓦の仕事も技術の発達と共に効率化が進んで1件の工事にかかる日数も大幅に短縮され、それと並行して軽量の屋根材のブームが来て瓦が減って今日に至ります。それでも長年の業界の慣習はそう簡単には変わらないので、相変わらず職人さんは雨になると休みです。

 

雨の日に休むと土日が仕事になります。

 

当然の事ながら雨の日に休まざるを得ないと工程にも影響が出ます。それでも天気が相手やと誰に文句を言っても仕方ないので、雨の日の仕事をどこかで取り戻さなければならなくなります。そこに充てられるのが土曜日や祝日なんですね。場合によっては日曜も仕事になったりします。
最近では近隣に迷惑をかけないように日曜日は作業は中止にしている工務店も多くなってきましたが、私が瓦の仕事をするようになった頃は日曜日に仕事するのも当たり前で職人さん達もそれで給料がたくさんもらえるならその方がいいという考え方の人が多かったように思います。
問題は業界全体が未だにその頃の感覚のままでいる事にあります。今では給料が多いよりも休日が多い方がいいって考えている人が多いのに、決まった休みがなく天気次第の休日というのではなかなか入職者が集まらないのも当然なんじゃないかなぁ。

 

働き方というか仕事の進め方も変えていかないとです。

 

働き方改革をしようって政府が言ってますが、各会社それぞれがいくら頑張っても元請さんやお客さんの要望を聞いているとどうしても職人さんに休み返上で頑張ってもらわないといけなくなったりします。会社側と労働者側の問題だけでなくそれぞれの業界全体の仕事の進め方をもっとしっかり考えていかないといくら改革しても絵に描いた餅になってしまうんじゃないかなんて事を廃瓦を処分場に持って行く車中で運転しながら考えてしまいました。

 

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