姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

工事完了後に残った瓦は在庫として倉庫で管理しています。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
雨が降って一気に冷え込みました。もう朝は防寒着装備でもいいくらいですが、仕事を始めるとすぐに暑くなって脱いでしまうのでもうちょっと寒くなるまでは防寒着は我慢する事にします。日中は太陽が出ていなくても作業してたら汗かくので今が一番体調管理が難しい時期かもしれません。

 

倉庫には色んな種類、色の瓦がたくさんです。

 

一口に瓦と言ってもかなりたくさんの種類があります。軽量屋根材まで含めた広義の瓦という意味では私が扱った事がない材料もかなりありますし、陶器の瓦でも名前は知っても施工した事がない瓦も意外とあります。
そして瓦屋さんによって得意な工事が違うのでそれぞれの倉庫で在庫として持っている瓦にも違いがあります。当社では主にいぶし瓦のJ型(一般的な和瓦)を得意としているので一番たくさん在庫として管理しているのは淡路産のいぶし瓦と三州産のいぶし瓦ですが、それ以外にもJ型の釉薬瓦や平板瓦が多くてカラーベストやROOGAと言った軽量屋根材の在庫は少ないんです。

 

色や形、大きさの違いがあって修理に使うので処分も難しいんです。

 

工事をしていると用意した瓦を使いきるという事はあまりありません。瓦屋さんが工事を完了した後でも他の業者さんが屋根の上に上がる事もあって、その時に瓦が破損する事もよくあるからです。そんな時に瓦を使いきってしまっていると即応が難しいので新築や葺き替えの場合は特に差し替え用として数枚は材料を残すようにしているんです。
そういう残しておいた瓦というのが結構クセモノでちょっとずつ貯まっていって長い年月をかけて倉庫を圧迫していきます。

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よく使う色や種類なら次の工事の注文の時にその分だけ減らして注文する事も可能なんですが、数年に1回程度しか使わない瓦が一番困ります。

 

処分したらその瓦が必要になるのが「あるある」です。

 

倉庫で何年も使っていない瓦を大掃除や棚卸の時に「まぁ、いいか」って処分したらその直後にその瓦が必要になって困るっていうのは「瓦屋さんあるある」です。まだ製造している商品ならいいんですが、特に色瓦は廃版になる色も多くて、廃版になってしまった瓦の修理をする時にいつも困っています。
台風や地震などの災害で数枚だけ被害が出た時に廃版になっていると数枚のために葺き替えないといけないって説明するのも心苦しいのでなんとかならないかと探し回っているんです。
セ〇スイハウスやク〇タ、パ〇ソニックなど大手メーカーが出している商品で特にそういう傾向が強いですね。
昔ながらの和瓦はサイズこそ時代によって変化しても基本的な形が変わらないので産地が違ってもなんとかなってしまうのもスゴイところです。
倉庫の整理をしながら若手に瓦の種類を説明する時に自分でも在庫の瓦の種類が分からなくなったりして改めて和瓦の良さを実感しました。