姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

廃版になった瓦を探すのは大変なんです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
先日、城崎に行った帰りに出石(いずし)に寄って蕎麦を食べてきました。他の地域の人に対しての知名度がどれくらいあるのか分かってないんですが、「出石」で兵庫県民がイメージするのは「蕎麦」なんです。特に「皿蕎麦」が有名で小さな小皿に一口分のお蕎麦が盛ってあって、それが5皿で1人前になっています。1人前と言っても私や弟は5皿では足りなくて追加注文するんですが、気が付けば15皿くらい食べていました。若い頃は40皿とか当たり前に食べていたのが懐かしいです。ちなみに20皿以上食べると各店舗で認定証のようなモノがもらえます。
食べ終わった小皿にもいろんな柄があって面白いんです。

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瓦だけ購入を希望される方もいます。

 

うちは基本的に瓦の工事の請負業で販売店ではありません。それでもたまに塗装屋さんや電気屋さんなど工事で屋根に上がる業種の方が瓦を売ってくださいと来られます。たいていは1枚~5枚程度です。
他にも少し高齢の方やと自分で屋根を直したいからと20~30枚程と役物の瓦が欲しいと来られる一般の方もいらっしゃいますね。在庫を持っていてすぐに引き渡せる事もありますが、在庫がないものになると取り寄せになってしまうし、小口となると運良くメーカーまでのトラックの便がない限りは時間も費用も余分にかかってしまいます。

 

廃版の瓦が一番困ります。


会社で在庫として持っているものやまだ製造していてすぐに取り寄せられるモノならいいんですが、20年とか30年前に一時期だけ流行って廃版になってしまったような瓦の問い合わせもあります。修理工事でも使う事があるのでそういう瓦もある程度は持っていますが、台風や地震などで修理が重なるとどんどん在庫はなくなってしまいます。
しかも実物があればともかく、写真で「この瓦」って来られる方も多くて、これがなかなか厄介なんです。商品を特定するために問屋に聞いてみたり、同業者のネットワークを使って聞いてみたりしても分からない事もあるくらいです。

 

長く製造されている定番の商品が一番メンテナンスしやすいです。

 

住宅が「買い物」になってしまってからはいろいろ個性を出したいというお客さんの要望をかなえるために大手の住宅供給会社がそれぞれの専用商品を開発したりもしているんですが、ほとんどの商品は20年もすれば廃版になってしまって窯元ですら商品を残していないという事も多いです。さらに形は同じでも色のバリエーションを増やすだけ増やして、それすらも廃止してしまうので、修理する時に凄く困るんです。
和瓦は今の形になってから300年ほど経過しています。釘留めのための穴が開いたりとかいろいろとマイナーチェンジはありますが、基本的な形が同じなので少しの加工でなんとかメンテナンス出来るので長く使えるんです。長く住み続けられる家にしようと思ったらそういうところも考えておかないとですね。