姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

知られていないのは「無い」のと同じです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
淡路島に渡ってすぐの「淡路SA」には観覧車があります。2006年に開業した観覧車でシースルーやアンパンマンなどいろんな柄のゴンドラがあるみたいですが、乗った事はありません。瀬戸内海や神戸の街並みを一望出来てかなり景色はいいみたいです。夜も21時まで営業しているので夜景が綺麗と評判になっているみたいですが、海に近い所に建っているので風が強い日はめっちゃ揺れる気がします。

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自分が関係しているものは知られていると思いがちです。

 

人間って自分が経験している事は他の人も経験しているとか、自分が知っている事はみんな知っているって思い込みがちです。仕事なんかは特にそうですね。私の場合、瓦関係の仕事をしているので、「瓦の事はみんな当たり前に知っている」と思ってしまっていました。実際には瓦の事なんてほとんど知らない人がほとんどで、メディアで瓦の事が取り上げられるとその情報だけが知られてしまうんですよね。
私自身は過去に「瓦の事は全く知られていない」と知る事が出来たんですが、業界的にはまだまだ「瓦の事はみんな知っている」と思っている人の方が多いですね。

 

「知られていない」のは「無い」のと同じです。

 

消費者側からすると「知らない」という事は「存在しない=無い」のと同じ事なんですよね。何かを決めようとする時にはどうしても自分が知っているモノの中から選択しようとするし、知らなくてもその時に新しく情報として入ってきたら選択肢になるんですが、供給側は一度何かで情報を出したらそれで「知ってもらえた」と思ってしまってそれ以降の情報発信を怠ってしまいがちです。結果として供給側の「知ってもらえてるけど選んでもらえない」という勘違いが発生するんです。

 

古いモノほど「知られていない」事が多いです。

 

「知ってもらえてるはず」という勘違いは古くからあるもので特に多いような気がします。建築業界で言えば「畳」「土壁(左官)」「瓦」などですね。
ハウスメーカーさんが家を売るようになるまでは家を建てるのって一大イベントで自分の家が徐々に形になっていく様子を毎日観察したり、職人さんの手伝いをしていたので知ってもらえている時期はあったんですよね。それで余計に勘違いしてしまうんですが今はもう建築の専門家でも伝統工法の住宅について知っている人は少ない状況になっています。まずは「知られている」という認識を改めないと見当違いの情報発信をいつまでも続けてしまう事になります。