姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

屋根に遊び心があると上を向くようになるかな?

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
日が暮れると一気に気温が下がるようになってきました。ちょっと油断して防寒着を着ないままで暗くなると冷え込みで膝が震えてきます。日中が暖かいから余計に油断してしまうんですよね。今は風邪ひいてもなかなか診察してもらえないみたいやから本当に気を付けないとです。

 

飾り瓦にはいろいろな種類があります。

 

飾り瓦というと代表的なものとしては鍾馗さんや立浪、牡丹や七福神などがあります。お寺やと他に唐獅子があったり、塀に鷹や鳩などが載せてあったりとかなり造形には自由度があるんですよね。
瓦の原材料は粘土なので自由度があるのは当然なんですが、これも意外と知られていません。瓦で形を作る時にNGになるのは物凄く細い形状のものくらいなんです。
だから犬や猫を作る事も出来るし鬼瓦の顔が笑っているものもあるんです。

 

遠くから見たら本物?って思うものもあります。

 

先日、伊勢神宮に参拝に行った時にはおはらい横丁のお店の庇に猿がいました。酒屋さんの入口の庇でお猪口で酒を飲んでいる猿の飾り瓦が設置してあったんです。遠目で見たら一瞬本物?って思うくらいよく出来ているんですよね。
本物の猿やとかなり大騒ぎになるけど、瓦の猿で動かないから気付かれていないのかもしれません。

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そういえば以前、車を運転していたら余所の家の屋根の天辺に鳥が2羽止まっていたんです。同じ種類の仲間かな?って思っていたら1羽はどこかに飛んでいって、残ったのは微動だにしませんでした。瓦で出来た鳥やったんです。遠目に見たら本気で間違うレベルでした。

 

施主さんと職人さんの遊び心ですね。

 

飾り瓦は単体で考えると決して安いものではありません。でも屋根工事全体として考えると少しの追加で出来る遊びなんですよね。もちろん、工事する側が強制する事は出来ないので、施主さんと職人さんの遊び心が一致しないと設置できないちょっとした贅沢なんです。
でもこういう遊び心が増えると俯きがちなご時勢でもちょっと上向いてみようって思えるようになるかなぁ。
飾り瓦を取り付ける事自体が5年に1回くらいしかないのでもうちょっと余裕がある世の中になって欲しいものです。