姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

地震が起きる度に瓦が悪者にされています。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
1歳を過ぎて朔矢はどんどん行動範囲が広くなってきました。歩くのも伝い歩きは自由自在で最近は大人と手を繋いでなら歩けるようにもなっています。そろそろいつ歩けるようになってもおかしくない時期になっていますね。私はハイハイせずに10カ月くらいで歩いたらしいので、それに比べたら順序立てて成長しているみたいです。

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能登地震でも多くの住宅に被害が出ました。

 

阪神・淡路大震災以降、大きな地震が起きるとその地域では必ずと言っていいほど震源域で住宅に大きな被害が出ています。耐震基準が設定される前の比較的古い住宅の被害が多いのと、屋根の形がそのままで下の部分が圧し潰されたようになっている事から、「瓦が重いから家が倒壊した」と報道されてしまっているんですよね。
毎回瓦だけが原因ではないという意見も出ているのに見た目の被害の派手さでそう言われてしまっているのが本当に残念です。

 

被害をゼロにする事は出来ません。

 

人命にも関わることやし、住宅の被害は生活に直結するものでもあるので、被害はゼロになる方がいいのは確かですが、震源域の揺れを大きさを考えると被害をゼロにする事はすごく難しいです。強い揺れに耐えられるようにすると家具類が吹っ飛んだり中にいる人が壁に叩き付けられたりして逆に危ないんですよね。
それが地震が起きるとどうしても被害が出た事にばかり注目が集まってしまうんです。
最近は特に被害が出ると何かに原因を求めすぎていて、それも複雑な要因があっても何か1つだけを取り上げてしまう傾向があります。

 

瓦が載せられないほど構造を弱くしているって事です。

 

屋根は軽い方が良いと一般に言われているのはそれだけ柱や梁を細くして構造を弱くしてしまっているからです。工期や予算などの関係で削れそうなところをとことん削った結果やとは思うんですが、大事なところまで削ってしまっているイメージですね。
伝統工法や在来工法と言われる昔ながらの工法で建てられた家の場合、柱も梁もかなりしっかりしたものを使っているので、屋根を軽くすると逆に強風で家が揺れてしまうような事にもなりかねません。
実際に古い住宅で瓦の葺き替えをした時に古い瓦を撤去したら家がフワフワしていて怖かったと言われた事があります。お客さんからの実感の籠った言葉を頂いて瓦を載せる事に自信が持てた一例でした。