姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

空き家問題は新築建て過ぎ問題なんです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
子供の頃、大好きで読んでいた絵本が何冊かあるんですが、その代表格が「エルマーのぼうけん」シリーズです。大人になっても覚えているくらいやし、多分家を探したらどこかから出てくるはずです。その著者のルース・スタイルス・ガネットさんが亡くなったというニュースをみました。100歳との事で大往生ですね。むしろ今まで存命やった事に驚きました。ご冥福をお祈りします。

 

家業に入った時に一番に感じた疑問は「新築建ちすぎじゃないの?」でした。

 

私が家業を継ぐために就職した会社から戻ったのは26歳の時でした。ゼネコンの現場監督を少しだけ経験してあまりのブラックさに体を壊しかけていて、そのタイミングで父から戻ってきて欲しいと声を掛けられて決断したんですが、その当時は住宅業界は年間に120万戸ほど新築が建っていた時期でした。
恐ろしい事にその前30年も100万戸を超え続けていたんです。だから新築の工事が一番多かったんですが、そのデータを見て思ったのは「新築建ち過ぎじゃない??」です。

 

アパートやマンションも込みでも多過ぎます。

 

この新築住宅着工件数はアパートやマンションなどの集合住宅も込みの数なので純粋に一軒家の数ではないんですが、それでも多過ぎると思ったんです。日本の総世帯数が5000万戸として50年で全部が新築に変わる計算です。そんな状態が30年以上続いているとなるとどこかで新築は飽和すると思ったので、その考えを父に話しました。
ちょうど父も大手ハウスメーカーさんの仕事が凄く煩雑になってきているのに値崩れし掛かっていた時期で手を引く事を考え始めていたらしく、意見が一致して新築メインのハウスメーカーさんの仕事から撤退する事が決まりました。

 

未だに80万戸も新築が建っています。

 

あれから20年経って10年ほど前から空き家問題がクローズアップされ始めたんですが、新築は未だに80万戸も建っています。毎年80万人ほど人口が減っているのに新築住宅が80万戸増えているんです。そりゃ空き家も増えますよね。
「空き家問題」ってよく言われるけど、そもそも新築を建て過ぎているから空き家が増えるんです。単純な足し算引き算の問題やと思うんですが、空き家問題が論じられる時に新築の着工件数が問題になっているのを見た事がありません。大手企業は業績を上げ続けないといけないという理屈で新築を建て続けているけど、とっくに無理が来ている事に気付かないかなぁ??凄く優秀な人が集まってるはずなんですが・・・。
うちでも年に数棟は新築工事をする事はあるので全て否定するつもりはないけど、新しいのが一番いいっていう価値観は改めないとですね。

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