姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

たまには常識を疑ってみる事も必要かもしれません。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
久し振りに本降りの雨が降り続いていて、風も強いから今日はかなり寒く感じました。ストーブをしまってなくて良かったです。これでまた春に一歩近づいたはず。とは思うけど一度暖かくなってきた時に寒の戻りがあると堪えます。朝から軽い偏頭痛で頭重いし腰も痛いし。早いとこ天気回復して欲しいですね。

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住宅の新築工事が全盛の頃に業界に入りました。

 

私が家業を継ぐために就職していたゼネコンを退社して家に戻ってきたのが26歳の秋でした。今から17年半前ですね。その頃の瓦業界はハウスメーカーが建てる新築住宅が全盛の時代で年間180万戸ほどの住宅が建てられていて、大半の屋根材が陶器瓦(平板含む)でした。戻ったばかりの私も仕事を覚えるために現場で職人さんと一緒に瓦葺きをしていました。当時からうちの会社ではリフォーム工事にも力を入れていたので同業他社に比べたら新築の割合は少ない方でしたが、それでも今と比べたらびっくりするくらい新築工事が多かった事を覚えています。

 

新築住宅が建てれら続ける事に疑問を持ちました。

 

もともと高専~大学、大学院と建築の勉強をしていた事もあって、それなりに建築業界の知識は持っていたのと、大学院での研究が建築物のLCC(ライフサイクルコスト)やLCCO2(ライフサイクルCO2)に関する事をやっていた事もあって、新築依存になっている事が物凄く歪な事やと感じていたんです。
仕事が終わって家で夕食を食べている時に父とその話になって、疑問をぶつけてみたら父も大手ハウスメーカーの仕事をメインにする事に迷いが出ていた時期やったみたいでそこからの撤退を検討し始めたんです。新築の着工件数がこのままの状態で続く事は有り得ないという判断ですね。
そこで瓦の葺き替えへと仕事をシフトさせていけたので、なんとか今までやってこれたと思っています。

 

たまには常識を疑ってみないといけないかもしれません。

 

今の瓦業界は「瓦は重いので出来るだけ屋根を軽くする」のと「災害時に屋根から瓦が落ちないようにする」という事が大事な事やと考えて工法を開発したりしています。
災害が起きる度に被害の目安として「瓦の飛散」を使われてきて、瓦が悪者にされてきたからなんです。「瓦が落ちたらそれで怪我する人がいるかもしれない」と考えると確かに大事な事です。計算上、瓦が落ちなくても耐震性能が確保出来ているなら瓦を落とさない方が被害が少ないのも確かです。でもこれって瓦が葺かれている建物が同じ年代に建てられていて、耐震性能が計算しやすいモデルでの事なんですよね。増築した場合やリフォームで手を入れて耐震性能に偏心がある場合は弱いところに荷重が集中して倒壊する可能性も出てきます。
絶対に瓦を落とさないという工法が本当にいいのか、ちょっと常識を疑ってみる必要もあるんじゃないかなぁって感じます。