姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

古い飾り瓦は手作りの一品モノがほとんどです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今日は神戸まつりやったみたいですね。天気悪い予報も出ていたけど、なんとか回復したみたいで良かったです。実はずっと兵庫県に住んでいても神戸まつりには行った事がないんですよね。機会がなかった事に加えて人が多いところに積極的に行く気にならなかったのが理由です。いつも新聞などでカーニバルなどの記事を見て「そういえば・・・」って思い出す程度です。

 

古い飾り瓦は貴重なんです。

 

よく現場調査や工事に行った先で塀や屋根の上に載せられいる飾り瓦を目にします。多いのは鷹や鷲などの鳥かな。翼を広げているものもあるけど翼を閉じた状態のものもあります。
取付工事をする側としては翼を閉じているものの方が引っかかったりして壊れる心配がないので取り扱いしやすいです。
古い瓦は飾り瓦に限らず手捻りで作られているので貴重なんですが、塀の上などにある飾り瓦は特に引っ掛けられたり塀の倒壊に巻き込まれたりして破損している事が多いので数が少なかったり対になっているものの片方がなくなったりしているので更に貴重です。

 

破損個所を復元したり、対のものを復元する事もあります。

 

古い建物の工事をする時は鬼瓦や飾り瓦を新しいものにするか古いものを再利用するかでいつも悩みます。予算的には既製品を使うならどちらも似た程度かかってしまうので、強度の事を考えると新しいものにするのがいいんですが、特注品となるととても高額になる事が多いので古い瓦の焼き直しが出来るかを窯元に確認してもらわないといけません。
また予算に余裕がある場合には同じ形で鬼師さんに一から作ってもらう事もあります。

 

飾りが多いモノは作るのも取り付けるのも手間がかかります。

 

飾り瓦は作る鬼師さんによって形とかがかなり違ってきます。装飾が多いものもあれば物凄くシンプルな形のものもあるんです。特に鳥系の場合、広げた翼の羽根を1枚1枚付けてあるものと表面に羽根が描いてあるものがあります。
羽根を1枚1枚取り付けてあるものは作る時の手間もかかるけど、取り付ける時の手間もスゴイんです。

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まず現場に運搬する時に羽根などの先端が欠けないように気を付けないといけないし、取り付ける時に変な力のかけ方をして壊さないようにしないといけないんです。
最近は飾り瓦を取り付けるような工事はかなり少なくなってしまってますが、数年に1回くらい依頼があるので緊張してしまいます。