姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

神社の屋根に瓦が少ない理由。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
現場で仕事してるとお昼の休憩以外にだいたい10時と3時に休憩を入れます。夏場は水分補給が必要なのでもっと頻繁に小休憩を入れたりもしますが、気温が低くて日が暮れるのが早くなる冬場は休憩してる間の方が寒いので休憩の時間が短くなります。休憩中に施主さんからコーヒーやお茶を出して頂く事もあるんですが、今は暖かい飲み物が嬉しいです。

 

大きい神社の屋根には瓦が葺かれてないってご存知ですか?

 

伊勢神宮出雲大社春日大社など大きな神社の屋根は瓦葺きではないというのは意外と気付かれてないかと思います。それぞれの神社は有名処やから行った事ある人も多いけど、そこまで気にしてる人は少ないんじゃないかと思います。
大きな神社は檜の皮を使った「檜皮葺き」か「茅葺き」「板葺き」になっている事が多いんです。
瓦葺きなのはお寺なんですが、社寺仏閣と言葉でもまとめられてしまうように似たような場所としてイメージが出来てしまっているので、神社も瓦葺きって思われてるんですね。

 

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神社に瓦が葺かれていない理由。

 

神社、特に大きな神社に瓦が葺かれていないのは「神社」が神様の座すところなので神様の頭の上に当たる屋根に地面の下の土から出来ている瓦を載せる事は神様が地面の下、つまり「黄泉の国」に居る事になるから神社の屋根には瓦が葺かれていないという説があるようです。
神話などを読んでみると神様の世界って1つ1つの言葉や行動にも意味があって、それがとても重要な要素になっていて、「どう考えてもこじつけやん!」って思うような内容もあるんですが、古代の人達は真剣にそう考えてた事がよく分かります。

 

歴史的な観点から考えてみる。

 

個人的に神社に瓦が葺かれていない理由を歴史的観点から考えてみました。
瓦が日本に伝来したのがおよそ1400年前で仏教と共に伝来したと言われています。当時はまだ素焼きでいぶしもかかっていない瓦で、仏教と共に伝来した事から仏教建築においてのみ使われていたと考えられます。
そして伊勢神宮は第11代垂仁天皇の時代、出雲大社に関しては初代の神武天皇の前にはもう既に成立していたようです。
神様を祀る場としてそれなりの年月が経っていて仏教とは別の権威があったので仏教と関わりがある瓦は使えなかったんじゃないかなぁと。そして神社の元締めたる伊勢神宮やそれよりも歴史が古い出雲大社に倣って神社では瓦を使わなくなったんやと思います。その後明治時代の廃仏毀釈の影響もあって瓦屋根の神社が増えてきたんじゃないかと思います。
あくまでも私見ですが。