こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
兵庫県の真ん中の山間部では雪が積もり始めました。今日、工事完了予定やった現場も雪で年内の完了が出来なくなりました。天気には勝てないけど、もう1日あったらなんとかなったのにって思うと無念です。
年配の方でも経験不足になりつつあるようです。
姫路は人口では兵庫県で第2の都市ですが、どちらかと言うと田舎です。都会なのはやっぱり神戸を中心とした兵庫県の南東部の海沿いですね。22年前の阪神・淡路大震災以来、都市部では瓦の屋根が減り続けています。瓦の屋根どころか木造の住宅も激減しているようです。
当社は基本的に姫路を中心とした兵庫県の南西部が営業エリアですが、神戸方面の工務店や大工さんとのご縁があって、都会で仕事をする事が年に数回あります。新築の工事は大工さんとの打ち合わせが重要なんですが、特に和瓦の工事をしているとかなり年配の大工さんでも新築で和瓦を使う事がほとんどないから細かい仕舞が分からないので教えて欲しいと言われます。
誰でも出来る工法は確かに効率的です。
今の新築の住宅では木材は事前に必要な寸法に製材されて現場に届くし、臍(ほぞ)や継手はほとんど使わず金具やボルトで組み立ててしまうので、工事が始まると屋根が出来上がるのはとても早くなっています。耐震設計で計算するのも早いし現場での作業もかなり効率がよくなるので一見いい事づくめに思えます。
でもリフォームする事を考えるといい事ばかりではありません。在来工法や伝統工法で建てられた家は継手や臍で構成されているので、その技術を知っていないと手をつけられません。金具やボルトで無理矢理繋いだら構造的に弱い部分が出来てしまって、災害があった時に弱点になってしまいます。
また、今建てられている住宅のほとんどは新築の時はいいんですが、長く住んで生活スタイルが変わった時にリフォームする事は考えられていません。
人材育成を効率で考えてはいけない。
職人の世界は技術や技能を体系化してきませんでした。体系化すると人材の育成はしやすいけど、応用力がなくなる事を先人たちは経験敵に知っていたからです。現代は効率化する事が当たり前で非効率な経験による習得は受け入れられていませんが、腕のいい職人さんはほとんどが経験による技能の習得で育っているように感じます。
私が瓦の事を学んだ師匠は入口を体系化して教えてその後、経験によって育てるという育成方法をとっていました。当時としてはかなり先進的な試みやったみたいで、亡くなった今でも業界内で賛否両論あります。
人を育てる以前に入職者を増やす事を考えるのが大変ですが、ここをサボるとその後がもっと大変になるので、来年は人の採用を課題として取り組みます。