姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦は大丈夫でも下地がダメになっている事もあります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
うちがある場所は兵庫県内で東に行くのも西に行くのも便利な場所にあるんですが、朝夕の車が多い時間帯になると大きな川を渡る橋を超えるのに物凄い渋滞が発生します。車が集中してしまうのと川を渡るのにどうしても橋を渡らないといけないので逃げ道がなくなるんですよね。昼間の1.5倍くらいの時間がかかると思って出発しても間に合わない事もあるくらいなんです。これから年末にかけては更に交通量が増えるので要注意です。

 

強風で瓦がズレたり飛んだりするのは端っこが多いんです。

 

今年は姫路は大きな台風の直撃はなくて被害もほぼありませんでした。でも昨年の台風の修理が終わってなくて5月くらいまでは大阪まで工事に伺う事も多かったんです。台風で被害が出た屋根は軒先やったり屋根の横の端やったりととにかく端部に被害が出る事が多いんです。強風が下から瓦を煽って捲れていくんですよね。きちんと留め付けしていない古い屋根でよく見られる現象です。
そしてきちんと留め付けしてあっても下地の木材が痩せてしまったり雨が回って腐っていたら釘が効かなくて飛んでしまいます。

 

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棟の一番上の瓦も飛びやすいです。

 

他に飛びやすいのが屋根の天辺の部分の「棟」と言われる部分です。一番上にかぶせてある「伏間瓦」が飛んでしまうんです。だいたい銅線でくくってあるんですが、その銅線が劣化して切れてしまって飛ぶんです。そして一番上の瓦が飛んでしまうとそこから雨水が進入して積んである「のし瓦」が緩んでズレてしまって被害が拡大してしまうんです。
最新の工法ではのし瓦を積む時に土ではなく「南蛮漆喰」を使うのでちょっとの雨では崩れないようになってきているし、のし瓦同士も銅線を使って緊結しているのでズレないようになっています。

 

吸い上げで瓦が飛ぶこともあります。

 

何年かに1回ってレベルの強風が吹くと一番飛びにくい平部の瓦が飛んでしまう事があります。正面から風に吹かれても普通は飛ぶことはありませんが、強風が棟を超える時に風下側の瓦が吸い上げられて捲れてしまう事があります。
風が棟に当たった時に棟の風下側が真空状態になる事で吸い上げられてしまうらしいです。私も実際に修理に呼ばれて屋根に上がって、その状態を初めて見た時には「なんでこんな所が?」って不思議やったんですが、理屈が分かるとなるほどって納得できました。今の広報ではしっかり釘留めしてあるので少々の事では吸い上げられる事はないと思いますが、平部の瓦が飛ぶと他の部分を傷める事が多いので被害が拡大してしまいます。