姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

雀が入るから「雀口」というんです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
先日、事務所のwifiルーターを新しくしました。これまで使っていたものでも問題なく使えてはいたんですが、ちょっと古くなってきていた事と母家まで電波を飛ばしたくて設置位置を変える必要が出てきたからです。最近はかなり通信の容量も大きくなっているので新しいものの方が余裕があるんですよね。スマホやらタブレットやらの設定を全部変えないといけないのはちょっと大変やけどこれで快適になります。

 

瓦と野地板の間にはいろいろな動物が入り込みます。

 

瓦の葺き替え工事で古い瓦を撤去するといろいろな動物の痕跡を見る事が出来ます。最近一番多いのは蝙蝠です。瓦を剥がすと生きた蝙蝠がいる事もしょっちゅうですが、糞尿も凄くて、過去には土嚢袋に2つ満杯になった事もあるくらいです。他にも蛇やネズミ、イタチや雀などなど小動物の動物園かっていうくらいにいろいろな動物が瓦の下に潜り込んでいるんですよね。それに加えて虫類もかなりいるので活動が活発になる夏場は要注意なんです。

 

雀が入り込むのが「雀口」です。

 

ちなみに蝙蝠は頭が通る場所ならどこにでも入れるので1cmほどの隙間でも油断は出来ません。「これくらいの隙間なら大丈夫やろうって油断していると屋根裏は蝙蝠だらけになります。年に1回は蝙蝠が入って来るという相談を受けるくらいです。
そして以外と多いのが「雀」です。瓦の下からピヨピヨとヒナの鳴き声が聞こえてくる事もあるんですが、雀は軒先から入る事が多いんです。特に最近は瓦の下に葺き土を置かないので空間的にはかなりゆったりしているみたいなんですよね。入りやすいのは軒先です。軒の瓦同士の重なり部分は瓦の形状ゆえにどうしても隙間が空いてしまうのでそこから入ってしまいます。なのでその場所には「雀口」という名称が付いているんです。

f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20200513185420j:image

 

漆喰を詰める事もあるし最近ではプラスチック製のものもあります。

 

この「雀口」、昔は瓦の工事が終わった後に左官屋さんが漆喰を詰めていました。軒樋が取り付けられてしまうと詰めにくいので瓦工事が終わってから樋工事にかかるまでの間に左官屋さんが漆喰を塗り込めていたんです。
最近ではその手間を省くために我々が瓦の施工をする時にプラスチック製の面戸を取りつけています。雀口の形状になっていて、レール沿いにスライド出来るので軒の瓦を取りつけたらスライドさせて雀口を塞ぐんです。基本的には軒樋に隠れて見えなくなる部分やし太陽光に当たって劣化する事もないので、それなりに長持ちするんですよね。
雨漏りやと思っていたら蝙蝠や小鳥の糞尿が原因やったという話もよく聞くのでこれからの時期は注意しておかないとです。