姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

経験年数がどれだけ増えても見た事のない事例はあります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
もう8月も終わろうとしているのに暑い日が続きますね。現場で作業していると汗だくになってしまうので半日くらいで着替えないと汗疹がエラいことになります。空調服もフル稼働しているんですが、追い付かないですね。そして毎日着替えてると作業服の洗濯が追い付かない事があります。嫁さんが毎日洗濯してくれているんですが・・・。

 

鬼瓦が見た事もないような割れ方をしていました。

 

今日、修理に伺った現場は鬼瓦の取り換えの工事でした。基本的に鬼瓦が壊れる時というのは固定している銅線が切れて落ちてしまったとか、凍ててしまってボロボロになってしまうというのが定番です。
それが今日の現場では見事に鬼瓦の顔の部分が剥がれてしまっていたんです。製造過程で後付けした所が経年劣化で弱くなって外れてしまう事はあるんですが、このタイプの鬼瓦はプレス加工で作られているので普通は剥がれる場所じゃないんですよね。
しかも剥がれた顔の部分は2階の屋根から落ちたのに割れずに残っていたんです。

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毎年1~2件は経験した事がないような事例に当たります。

 

私が瓦業界に入って丸っと17年になります。17年と言うとそこそこ経験を積んでるようにも思えますが、まだまだヒヨっ子もええとこです。学生時代が長かったし、一度就職したので瓦業界としての経験は同年代では短い方なんですよね。
それでも17年もやっているとそれなりにいろいろな現場を見ているので、現場調査に行くと過去の類似の現場を脳内検索して調査・見積もりをするんですが、年に1回か2回は全く経験した事のない事例に行き当たります。
今回の鬼瓦もそんな1つですね。

 

毎日の経験の積み重ねが財産です。

 

同じ瓦業界に身を置いていても同業の他の人と全く同じ経験は出来ません。地域ごとに工法であったり仕様であったりが違うし、同じ地域で商売していても現場は常に違っています。何より日本全国どこを探しても全く同じ家はありません。形が同じでも立地が違っていると必要になる工程が変わってくるんです。
毎日の仕事の積み重ねが瓦の専門職としての財産になっているんやなぁって事を今更ながらに実感しました。一人でどんな屋根にでも対応するのは難しいけど、そういう場合は仲間に助けを求める事も1つの経験です。
そう思えば毎日の暑さも経験の1つとして耐えられる・・・かなぁ。毎年少しずつ暑くなってる気がするけど、ぼちぼち暑さからは解放して欲しいなぁ。