姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

木造の建物の柱には敢えて割れ目が入れてある事があります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今週はかなり冷え込みが厳しくて倉庫の水場にあるバケツの水が毎日のように凍り付いています。昔は冬場は毎日のように凍っていた事を考えると温暖化が進んでいるのかもしれません。週が明けると一気に気温が上がるらしくて20℃近くになる予報も出ています。花粉の飛散も大量になりそうなので対策しておかないとです。

 

木造の建物の柱には「背割り」が入っています。

 

木造住宅では柱に「割れ目」が入っている事があります。使われている木材のうち「芯持ち材」という木の中心部分を含んでいる材料の場合、乾燥する時に歪みが生じたり収縮時に大きく割れが入ったりもするのでそれを防ぐために敢えて先に切れ目を入れておくんです。
基本的には壁などで隠れてしまうところに割れ目を持ってくるのであまり目にする事はないんですが、たまに玄関ポーチなどの丸い柱に使われている事があります。

 

母屋の通し柱に芯持ち材が使われています。

 

うちの母屋の通し柱(基礎から2階まで貫通している柱)には芯持ち材が使われています。1階は座敷の柱で壁があるので背割りが見えないようになっているんですが、2階は廊下の奥にあって壁がない柱なので背割りがはっきりと分かる状態になっています。
在来工法や伝統工法と呼ばれる昔ながらの木造住宅にずっと住んでいるのでそれが当たり前やったんですが、今日初めて背割りを目にした嫁さんに「なんで?」って聞かれて建築に縁が薄いとそもそもそういう工法があるという事が知られていないんですね。

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嫁さんは母屋の2階はあまり入った事がありません。

 

結婚するまでは私は母屋の2階に自分の部屋がありましたが、結婚してからは嫁さんと事務所の2階で生活しているので、嫁さんは母屋の2階にはほとんど入った事がないんです。
そんな嫁さんですが、今日は朔矢が階段を上がって2階に行ったのでそれに付き添ってきたんです。私も一緒になってフォローしてたんですが、そこで背割りの入った柱を見て「なんで?」って聞かれたんです。
説明しながらこういうネタって建築に携わってないと知られる事がない豆知識で、ブログのネタにちょうどいいやと思ったので早速ブログにしてみました。