姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

仕事が忙しくなる事を困ってしまう業界のままではいけないです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
台風が過ぎ去って被害状況がはっきりしていくに連れて21号がどれだけの規模やったかを改めて思い知りました。自分が住んでいる近辺に被害がない事が本当に有難いですが、被災された地域の方は今も停電が続いているところもあるようなので一刻も早い復旧を祈っています。

災害復旧の工事が激増しています。

 

私が入社した頃は屋根工事業というと新築の住宅に瓦を施工するか古くなった瓦を葺き替える仕事がメインで修理の仕事というのはそれほど多くありませんでした。職人さんの数が多かった事もあるけど、お客さんも修理が必要になった家なら葺き替えをしようって感覚やったんやと思います。
今では葺き替えしないといけないくらい傷んでるなら建て替える事も検討すると仰る方もたまにいます。建て替えは極端な話やとしても葺き替えしても後に住む人がいないから出来るだけお金を掛けないで修理して欲しいという依頼が多くなっています。
そしてそれ以上に多いのが地震や台風などの災害による被害の復旧工事です。こちらも15年前なら葺き替えしていたレベルの被害でも今は修理になっています。それだけ修理用の資材が増えて修理方法が確立されてきたという事でもあるんですが、毎年50年に1回レベルの大雨が日本のどこかで降って、巨大台風や大きな地震が起こっていて瓦業界は常にどこかで復興工事をやっています。

 

「仕事が増える=お客さんが困っている。」

 

新築や葺き替えの仕事はお客さんが「困っている」というケースはあまりありません。しかし修理や災害復旧の工事は明確にお客さんが「困っている」んですよね。だから仕事が増える事は有り難い事ではあっても喜んではいけないって思っています。
とは言ってもボランティアでは出来ないので、きちんと「仕事」として対応してはいるんですが、少し大きな災害があるとあっという間に人手不足になって困っているお客さんに待ってもらわないといけなくなります。「天気予報で明日雨が降るって言ってるから早く工事して」と言われた事も何度かあるんですが、職人さんの絶対数は減っているのに仕事が短期間に集中してしまうとパンクしてしまいます。

 

仕事がある事を困るような業界にしてはいけない。

 

働き方改革や業務効率化という言葉をよく耳にしますが、建築業界はまだまだ機械がやる仕事よりも人がやる仕事の方が多い状態です。どれだけ効率的に進めても限界があるし、会社としても一番忙しい時期に合わせて人員を確保しておくことは出来ません。
同業者と協力体制を築いてなんとか応援したりしてもらったりしながらやりくりしている状態です。職人をしっかり育成して適正な工事代金をもらえる業界にしていかないと「仕事が増えたら困る」ようになってしまいます。
時短出来る所は時短してしっかり人を育ててこれからの時代に対応していかないと一番困るのはお客さんやなぁなんて事をドローンでの調査をしながら考えていました。

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