姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

「厄除け」「火事除け」「繁栄」飾り瓦には様々な想いが込められています。

こんばんは。

姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。

テレビを見ていたら、今世間を騒がせているアイドルグループの冠番組をやっていました。自粛してないんやなぁって思って見続けてみたら問題を起こした人が全く画面に映らないんです。編集で登場シーンを全てカットしてあるみたいなんですが、これがほとんど違和感なかったんです。

知らずに見てたら気付かなかったかもしれません。編集というか技術と言うか、凄いですね。

 

鬼瓦や鯱など飾り瓦にはたくさんの種類があります。

 

今のご時世、新築で家を建てる人はあまり瓦を採用しないのであまり知られていないんですが、1軒の住宅に使われる瓦ってたくさんの種類があります。全部同じ形では雨を受けきる事が出来ないから発展したんですが、そこにいろいろな装飾を付けた「飾り瓦」もたくさんあります。

昨日のブログで触れたガンダム瓦はちょっとしたお遊びやけど、鬼瓦や鯱なんかはとても有名ですし、他にも唐獅子に鷹や鳩、波や鯉、牡丹に七福神や打ち出の小槌なんかもあります。

 

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お寺では宗派を表す事もあります。
 

特別な飾り瓦だけでなく軒先に使う「巴」という瓦にも装飾が入る事があります。家業を表す意匠や自分の名前を入れたり、何がしかのチームのマークを入れる事もありました。

お寺では巴や鬼瓦を見たら一目で宗派が分かる工夫がされていたりもします。明治初期の廃仏毀釈の混乱で現代では必ずしもそのルール通りではないんですが、今でもある程度の目安にしています。

 

大事な家を守る瓦に想いを込めたんです。

 

昔は住宅も含めて建物を建てるのがとても大変でした。木材や瓦、石など材料を揃えるところからやと5年や10年かける事も当たり前にあったみたいです。

だからこそ家は大事にして受け継いでいくものでした。大雨や火事に強い家を作るために様々な技術や材料が生み出されたんです。

それでも不意の災害が起きた時に少しでも家が家族を守ってくれるようにという願いを込めて飾り瓦を飾っていました。

鯱は水の守り神で火災から守ってくれると言われているし、鬼瓦は厄除け、鷹や鳩は繁栄を願ってのもので七福神や小槌は財産を表しています。

今は住宅は「買う物」になってしまいましたが、住宅産業の一端を担う者として、そう言う「想い」を大事にしていく事も必要なんじゃないかなぁって最近特に強く思うようになりました。

即物的な考え方だけではなく精神的なものを大事にする事にそろそろ目を向けていきませんか?