姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

勾配がキツいと上がるよりも下りる方が怖いんです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
久し振りに晴れ予報の週末になりました。暑さも少しマシになったしこのまま秋に突入してくれたらいいんですが・・・。また台風も発生したみたいやし、週明けの天気予報が微妙な感じになってきました。まだまだ週間予報と睨めっこの日々は続きそうです。

 

普通の住宅の屋根の勾配は見た目ほどキツくないんです。

 

屋根工事をしていると話すと「足元が斜めになってて滑りそう」ってよく言われます。屋根は勾配がついているから滑るって思われるみたいです。実際には普通の住宅の勾配って4寸勾配から5寸勾配くらいです。角度で言うと21度から26度くらいです。
直角三角形でよくある30度の角度って図形で見ると緩いように感じるかもですが、実際の30度の勾配って屋根勾配で言うと6寸勾配とかなりキツい勾配なんです。
スキーをやる人は30度の勾配のキツさを分かってもらえるかもしれません。

 

上がるよりも下りる方が怖いんです。

 

屋根の調査や工事で梯子を登っているとお客さんから「凄いなぁ」って言われます。スイスイと梯子を上るのは怖いと思われてるんです。でも実際には上がるよりも下りる方が怖いんです。
そして、特に怖いのは梯子よりも屋根面なんです。梯子は踏み外さない限りは落ちる事はまずないんですが、屋根面は何が原因で滑るか分からないんです。
ちょっと砂埃が靴に付いてるだけでも滑る事もあるし、雨が降っても滑ります。それでも普通の住宅の勾配であればまだなんとかなるんですが、6寸勾配を超えてくるともう駄目ですね。
たまに調査のために上がるんですが、いつも上がった後にどうやって下りたらいいかわからなくなります。

 

45度の屋根になるとまず上がれません。

 

勾配が45度の屋根を専門用語で「矩勾配(かねこうばい)」と言います。水平に1m垂直に1mの勾配なんですが、この勾配になると体感的には屋根というよりは壁という感じです。
先日、現場調査に伺った家が8寸勾配やったんですが、8寸でも梯子を使って軒先まで 行くと一瞬壁かと思ったくらいでした。

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工事をする時は6寸勾配以上での作業は屋根足場が必要になってくるんですが、現場調査では当然そんなものはないので、上がるのも下りるのも必死でした。何も道具を持たなくてもそんな状態やのに作業なんて出来るわけないですよね。何より安全に作業が出来ないので、足場は絶対に必要やと念押しして帰ってきました。
本当は屋根工事をするならどんな勾配でも足場をするのが理想やけど、実際にはまだまだそこまでの予算は付かない事が多いんですよね。