姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

釉薬瓦はとても滑りやすいので注意が必要です。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今日は姫路城の薪能の日でした。ここ数年は毎年行ってたんですが、今年は残念ながら行けなかったんですよねぇ。現場が遠くて帰ってくるのが遅くなってしまったからなんです。数年前までは8月にやってたけど、今の時期にやるようになって行く人が増えたように思います。8月の暑い時期にお能の衣装を着てたら大変やし観てる方もなかなか集中出来ないですもんねぇ。

 

釉薬がかかった色瓦はめちゃくちゃ滑ります。

 

青や赤、銀色などの色が付いた瓦は釉薬が掛けられています。釉薬焼成しないと発色しないので焼く前はどんな色になるか分かりません。しかも焼いても色が変わるのは表面だけなので割ったり表面を削ったりするとみんな同じ色になるんですよねぇ。
その釉薬瓦ですが、焼成する事によって発色して表面にガラス質を形成します。そのガラス質はめちゃくちゃよく滑るんです。
瓦屋根は勾配がついてるから滑るって思ってる人が結構多いんですが、いぶし瓦やとそこまで滑るわけではないんです。もちろん勾配がきつくなると滑るんですが、普通の住宅のレベルでは滑りやすいのは釉薬瓦です。

 

濡れると自分の位置を固定するのも難しくなります。

 

釉薬瓦は表面に何もない状態でも滑りやすいんですが、これが雨とかで濡れるとシャレにならないくらい滑ります。それこそ移動せずに立ってるだけというのが出来ない事もあるんです。
だから雨が降りそうな時とか雨がやんだ直後とかに調査に行った時には濡れていないかの確認を入念にしないといけません。秋口から冬場にかけての露や霜の時期には朝イチの調査は断るくらいなんです。
それと台風などで被害が出た時に掛けているブルーシートも注意が必要です。降った雨が折り目とかに溜まっていて、晴れているのにシートを剥がすと水が出てきたりするからです。晴れていたらすぐに乾くので濡れた所を踏まないように気を付けておけば大丈夫なんですが。

 

瓦を切った時の粉でも滑ります。

 

滑るのは水だけではありません。修理した時の土埃も水と同じくらい滑るんです。そしてもう1つ気を付けないといけないのが瓦を切った時に出る粉です。サンダーという電動工具を使って瓦を切るんですが、切った時に出る粉がめちゃくちゃきめ細かいんです。そのせいで釉薬瓦の表面に切り粉が残ったままにしていると踏んだ瞬間に滑ってしまいます。
屋根の上で工事をする時にはぬき板という暑さ15mmくらいの板を足場として設置するんですが、全面を覆うわけにはいかないので瓦の部分も歩く事になります。その時に切り粉を残さないように細目に掃除をするのも安全に仕事をする上で大事なんですよねぇ。

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