姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

土葺きから空葺きへの過渡期は釘留めされていない事があります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
2月末締め切りで応募した「お~いお茶新俳句大賞」ですが、例年やとそろそろ二次審査通過のお知らせが届いたというツィートが出始める頃なんです。私はまだ一度も通過した事ないので今年こそはって思ってて、来るならそろそろやのになぁってそわそわしているんですが、今年はコロナの影響もあるので遅れてるんかなぁ??

空葺きが普及し出してから30年ほどです。

 

阪神淡路大震災で屋根が重いから家が倒壊したという報道があってから25年、未だに屋根は軽い方が良いと言われ続けています。瓦が日本に伝来してから1400年以上経っていて、民家に瓦を葺くようになってからでも400年ほど経過しているんですが、そのうちの30年なんですよね。それまでにも何度も大地震はあったんですが、屋根を軽くするという事はほとんどありませんでした。
技術的な問題もあって、他の材料が屋根材に使われなかったという事もあるけど、それ以上に瓦の耐久性や施工性が優秀やったからなんですよね。

 

空葺きの場合には釘で留めます。

 

勘違いされる事が多いんですが、瓦は屋根の上に並べているだけではありません。現在の工法では最低でも2枚に1枚はステンレスの釘で釘留めされています。その釘も抜けにくいように加工されているものを使っています。風が強い地域では全数釘留めにしないといけない所もあります。
だから風が吹いても地震が来ても屋根から瓦が落ちる事はなくなってきているんですがその分壊れた瓦の交換がしにくいなどメンテナンス性を犠牲にしてしまっているんですよね。

 

40年くらい前から土を使わない施工法が始まりました。

 

瓦の施工時に葺き土を使わない工法が登場したのがいつなのか正確には分かりませんが40年くらい前から増えてきたようです。ちょうど高度経済成長期で住宅が爆発的に増えた頃で、工期短縮の為に土を使わなかったようでその頃の空葺きの物件には釘留めしていないものも多いです。
鉄釘や亜鉛釘を使って釘留めされているものもあって、こちらは釘が錆びて瓦が割れてしまう事も多いのでどちらが良いのか一概には判断できないんですが釘留めされていない瓦はちょっと強い風とか鳥や猿などに引っ張られたりでズレやすいんですよね。

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ズレが大きくなると雨漏りに繋がるので要注意です。