姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

天井がない部屋もあるので気を付けないとです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
こないだ新聞を読んでいたらちょっと面白い広告を見つけました。プラモデルを作る時に出る「ライナー」というプラスチックの骨組みを回収してリサイクルするプロジェクトだそうです。その名も「R作戦」です。リサイクルしたプラスチックで更にガンプラにするみたいなんですよね。神戸にも回収の場所が出来るらしいので行ってみたいと思います。

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瓦の留め付けに釘を使います。

 

昔の工法では瓦は土で葺いてあって、留め付けには銅線を使っていました。銅線で留めるのは物凄く手間がかかるので5枚とか10枚に1枚くらいしか留め付けていないのが土葺きの特徴です。
でも阪神・淡路の震災の後からは土葺きはどんどん減ってきて、今では土を使わない桟葺きになっています。桟葺きでは基本的に65mmのスクリュー釘を使って瓦を留め付けるんです。

 

天井があれば長い釘でも大丈夫なんですが。

 

基本的に室内には天井があるので、長い釘を使っていても野地板から突き抜けた釘は気になりません。釘が長いほど引き抜きの強度が上がるので出来るだけ長い釘を使う方がいいんですが、たまに長い釘が使えない事があります。
室内に天井がない場合や軒先が化粧野地になっていて長い釘を使うと突き抜けた釘が下から見えてしまう時です。軒先の場合は外部なので工事していたらすぐに分かるので突き抜けたのが分かったら釘を抜いて短いものに変えたらいいんですが、室内の場合には突き抜けたかどうかが外からは分からないんですよね。

 

工事が終わった後に気付くと交換が大変です。

 

室内が化粧野地で天井がない時に釘が突き抜けている事に気付くのが遅れると後で大変な事になります。工事が完了してしまうと釘を抜く事も出来ないし足場のある外部ならともかく室内には足場がないので天井より高い場所にある釘をニッパーなどで切る事も出来ないんですよね。
目立たない場所にある場合はお客さんの了解を得てそのままにする事もありますが、目立つ場所の場合には瓦をめくって釘を打ち直さないといけなくなるんです。
古い家で奥土さんやお風呂場など火を使う場所は天井があると火の粉が飛ぶからと化粧野地にしている事が多いようです。最近では室内を広く見せるために敢えて天井を作らずに化粧野地にする場合があるみたいなので、工事にかかる時に確認しておかないとです。