姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

建築学会のセミナーはめちゃくちゃ難しいです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
12月に入って早くも1週間が過ぎました。この調子やとあっという間に年越しになりそうですね。来年に向けての準備もボチボチ始めないとです。カレンダーは例年の如くいろいろな所から頂いているので、その中から選んだらいいとして来年の手帳をどうしようかと本屋さんの手帳コーナーの前で悩んでしまいました。今年は予定のほとんどが中止になってしまったので余計に手帳が使いこなせなかったんですよね。ブログの他に日記をつけてみるのもいいかもですね。

 

屋根工事の標準仕様書が改訂されました。

 

ここ数年、台風や地震などで日本各地の建物の屋根に大きな被害が出ています。この状況を受けて、日本建築学会が制定するJASS(日本建築学会の建築工事標準仕様書)内の屋根工事の部分が改訂されました。
建物の屋根が受けるいろいろな環境負荷は地域によってかなり差があって、雪に特化した地域もあれば風に特化した地域、雨に特化した地域などなどそれぞれの地域の職人さんの経験に頼っていた部分が大きかったんです。それを標準化したものが前述のJASSで1958年に制定されて、今回が3回目の改訂です。

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材料の更新と自然災害への備えがメインです。

 

大きな災害があったり、技術革新によって屋根材として使われる素材が増えた事などで改訂されるんですが、前回の改訂が2004年なので16年ぶりの改訂ですね。その間に東日本大震災や水害、台風などでかなり大きな被害が出ました。
屋根材にしても薄型スレート全盛やった時期から金属屋根材などによるカバー工法にシフトしてきているので、「標準仕様書」が対応出来ていないのは問題ですよね。
新しい材料も毎年のように発売されていて、それが経年でどんな風に変化して耐久性がどれくらいなのかが実証されているので、日々工事の常識が変わっていっている状況です。

 

体感として分かっている事でも言葉にされると難しいです。

 

内容は基本的にはほぼ経験や体感で分かっている事なんですが、これが言語化されると難しいんですよね。はっきり言ってこのセミナーはよっぽど建築に対しての学術的な基礎知識と屋根に対しての下地がある人でないと完全には理解できないと思います。
建築士さんは屋根に対する下地がないし、屋根業界の人は建築に対しての基礎知識が不足している事が多いので、難易度は相当なものになっています。
しかも今年のコロナ禍で東京で開催されているものの他の地域ではオンラインで配信しているので更に難易度が上がっています。
暗記する必要がないのが唯一の救いかなぁ。