姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

簡単に特注で規格外品を作れるのが瓦のいいところです。でも・・・。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
西日本は台風24号のせいでなんとなくざわついています。当初の予想よりもかなり南よりに進路が変わったので兵庫県や大阪などはホッとしていますが、今度は和歌山県に直撃コースになりました。このままもっと南に進んでくれたらいいのに。住宅の建築現場でも足場にかけてあるメッシュシートが折りたたまれて風に対する養生がしてあります。

 

特注で瓦を作るのは意外と簡単なんです。

 

瓦は素材が粘土で特に鬼瓦などの役物は今でも手作りのものもあるので、自分の家だけの特別な瓦を作りたいっていう要望にもお客さんが考えているよりも意外とお応えし易かったりします。例えば鬼瓦の下にある丸い「巴瓦」に自分だけのマークを入れるとか鬼瓦を少しだけ変わった形にするなどですね。
大量生産するための金型を作る場合は当然ながらそれなりの金額がかかりますが、1対2つだけとかなら1つ1つは確かに割高やけど屋根工事や住宅建設費用の総額からするとほんの僅かな金額で出来てしまいます。
だから古い家になるほど鬼瓦に拘りが見られるし、そういう鬼瓦は焼き直しをして再利用するという選択肢も使えます。

 

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特注品で困るのは全体が特注の場合です。

 

ただし、同じ特注品でも困る場合もあります。住宅に使われている瓦全てが特注品の場合です。ハウスメーカー専用の瓦などの場合には生産終了してしまうと修理工事の時に交換するための瓦が全く手に入らないし、一般的な瓦を加工して修理するという手段も取れない事があるんです。
今やったらfacebookなどで全国の瓦屋さんに問い合わせて瓦の種類や在庫がないかなどを調べる事も出来るようになりましたが、昔はそんな手段はなかったので、問屋さんのネットワークに頼るしかありませんでした。見つからない時は1枚瓦が割れただけで屋根を半分葺き替えしないといけない事もあります。

 

葺き替え工事の時には古い瓦をストックしておきます。

 

特に最近は古くて生産終了している種類の瓦も増えてきたので、そういう瓦の家の葺き替え工事の場合には全てを処分せずに状態のいいものを選んで100枚単位でストックしておくようになりました。
それでも修理が重なるとあっという間になくなってしまうんですが。一番困るのはやっぱり役物でどうしても見つからない時には色や質感が違ってしまう事もよくあります。
瓦の屋根が減ってきた今なら普通の瓦でも特別感が出るのでいい時代なのかもしれません。