姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

古い瓦を「何かに使えるかも」と残してある家が意外と多いです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
最近、またfacebookで乗っ取りが頻発しているみたいですね。以前に私もひっかかって迷惑をかけたので、もうひっかかる事はありませんが、たまに友達登録している人から動画が届いてちょっとドキっとします。二段階認証とかいろいろとセキュリティはかけているけど、絶対に大丈夫っていう対策がないのが怖いところです。

 

新築工事で使った瓦は万が一の為に残していきます。

 

私たちが新築で工事をさせて頂く時にはその現場で使った瓦を4枚~8枚程度、差し替え用として工事完了後に残していくようにしています。新築工事では瓦工事はかなり初期の段階で終わってしまうので、他の業者さんが工事をする時に壊してしまう可能性を考えて、こちらで瓦を用意しなくても現場に置いてある状態にしておくためです。
もっとも、工務店によっては工事が進むにつれて「廃材」として処分されてしまって、後から差し替えの依頼があった時に「置いていたはずやのに」という状況もあるんですが。

 

古民家には古い瓦が大量に置いてあるところがあります。

 

この「差し替え」用の瓦も年月が経つとそれなりに色が落ちたりして劣化はしていくんですよね。それが古民家の床下などに大量に置いてある瓦です。
昔は瓦そのものが貴重やったけど今よりも精度が低かったので、家一軒分の瓦を注文するとかなり多めに作成して納品する事が多かったんです。多めに納品された瓦の中から職人さんが捻じれや癖を見定めて施工していって、残った瓦が差し替えとして残されているんです。それが40年とか50年経つと家を建てた当時の事を覚えている人がいなくて床下に大量の瓦が置いてあるという状況が出来上がるんです。他にも破損して屋根から降りて来た瓦でも「何かに使えるかも」と処分せずに残している事もかなり多いですね。

 

降ろした瓦を再利用する事もあります。

 

お寺などでは建て替えや修理の時にもともと使われていた材料がそのまま一般の民家の材料として再利用される事もあります。また土塀修復ワークショップを開催している福崎町の「旧小國家住宅」では診療所の葺き替えをした時に降ろした瓦を土塀の修復に使っています。とはいえ、降ろしてきた瓦は膨大な量になっていて、土塀の修復でそれなりに使っているのになかなか減らなかったので、1/3くらい残して処分しようという話になり、本日回収に行ってきました。結構使ったから残りはそんなに多くないと思っていたんですが、ダンプに一杯になってしまって、全部載せる事が出来るのかと心配になりましたが、どうにか処分する事が出来ました。屋根から落とさないと瓦が割れないので暈が減らないんですよね。

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