姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

普段している仕事を図面にする研修を受けてきました。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
姫路では毎年6月に「ゆかた祭り」というお祭りが開催されていました。一時は出店の数が西日本最大級と言われるくらいに賑わっていたりもしたんですが、反社勢力の資金源になっている可能性があるなどの理由で出店の数が制限された事でかなり規模が縮小した上にコロナ禍で開催が中止になっていたんですが、今年は4年ぶりに開催されるそうです。開催される事は知っていたんですが、完全に忘れていてさっき思い出しました。久し振りやから人出が戻ってるかもですね。

 

瓦の納まりを図面にしたものを「原寸図」と言います。

 

家を新築する時などに一般の方が目にする図面は設計図といって基本的に1/100とか1/50で描かれている事が多いです。矩計図や詳細図で1/20と言ったところでしょうか。
それに対して瓦の実際の寸法でどう納まるのかを図示したものを「原寸図」と言います。一般住宅を施工する時にはほとんど描きませんが、お寺などの大規模な屋根を施工する時には先に原寸図を描いておくと後の仕事がスムーズに進む事が多いんです。

 

原寸図は実際の瓦を切って断面を写し取ります。

 

瓦の形は基本的には400年くらい前から大きくは変わっていないんですが、それでも時代毎に微妙に大きさや細部の形などが違っています。だから、原寸図を描く時にはその時に使う実際の瓦を必要な場所でカットして断面を写し取って描いていくんです。
それも1枚の瓦を何カ所も切らないといけないし、縦に切った瓦は横には切れないので瓦の形を一通り写し取ろうとするとそれぞれに2~3枚を使わないといけないんです。

 

久し振りに図面を描きました。

 

建築系の学校に行ってた事もあって、学生時代は苦手な図面を必死になって描いていました。卒業して就職してもゼネコンで図面を描かないといけなかったので、しばらくは苦手な製図をしないといけなかったんですが、家の仕事に戻ってからは図面を描かなくていいって思ってたんですよね。ところが最初に瓦の事を教えてくれた師匠が「原寸図を描けるようになっていた方がいい」という方針でまたしばらく製図からは逃げられませんでした。職業訓練が終わってからは描く事もなくなっていたんですが、今日は本当に久し振りに図面を描きました。まだ明日、もう1日頑張らないとなんですよね。
でもこれをやっていると瓦の基本が分かるのでやっておいて損はないんです。社会人になってからの方が勉強が楽しいって皮肉なものです。

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